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20世紀なら即刻戦争。ブラックマンデー直前に似ているG7での米独対立=今市太郎

世界はすっかり米朝会談に気を取られていますが、週末にカナダで開催された「G7」が大荒れとなり、もはや米欧には簡単に修復できないような亀裂が走っています。(『今市太郎の戦略的FX投資』今市太郎)

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※本記事は有料メルマガ『今市太郎の戦略的FX投資』2018年6月13日号の抜粋です。興味を持たれた方は、ぜひこの機会にバックナンバー含め初月分無料のお試し購読をどうぞ。

米朝会談に隠れて影が薄いG7で露呈した「大暴落リスク」とは?

米欧に修復できない亀裂

市場はすっかり米朝首脳会談に気をとられており、ドル円も週明けから大きく買われる展開が続きました。

しかし、週末にカナダで開催されたG7が大荒れとなり、もはや米欧には簡単に修復できないような亀裂が走ることとなってしまいました。

米ドル/円 日足(SBI証券提供)

米ドル/円 日足(SBI証券提供)

毎回G7ではそれなりの意見の相違はあったのでしょうが、今回メルケルとトランプが猛烈な議論の応酬を行っていた場面が写真で公開されたことで、事態の深刻さが一段と顕在化することになってしまったのです。

本来であれば、自由で公平かつ互恵的な貿易の必要性と保護貿易主義と闘う重要性で合意し、関税障壁や非関税障壁、補助金による障壁の削減を目指す方針を声明として発表するはずでした。

しかしトランプが土壇場で受け入れを拒否したことから、収拾のつかない状況で閉幕となってしまったのです。

「ブラックマンデー直前」を彷彿とさせる米・独対立

EUという組織体になってからも、ドイツと米国は個別にはいろいろなことがありました。足元のように鮮明な対立を引き起こすことで思い浮かぶのは、1987年のブラックマンデー直前の米・独の対立です。

ほぼ1年前、トランプの強烈な保護主義政策に対して、メルケルは「世界の問題を孤立主義や保護主義で解決できると思うものは、大きな間違いである」との議会証言を行っています。

米国との対立はかなり前から鮮明な状況でしたが、今回のようにG7の首脳の面前でやりあう場面が公になってしまったのは、事態が相当深刻な状況に陥っていることを明確に物語っていると言えます。

1987年当時、ドイツ中銀がインフレ対策のために高めに政策金利を誘導したことに対して、米国の財務長官からケチがつきました。これがきっかけでブラックマンデーの暴落が起きたとさえ言われているわけです。

自国にとってのみ都合がいい政策の履行は、世界的に大きな問題を引き起こしかねないことを改めて痛感させられます。

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