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投資家がいま知っておくべき「ゲーム株」の傾向と対策。ソシャゲ株と据え置きゲー株の気になる関係って?

今回はソーシャルゲーム会社とコンソール(据え置き型)ゲーム会社の動向について私が思うところを書いてみたいと思います。今後の株価を見るうえで、業界全体の動向も認識していた方が投資判断をする際に意思決定が行いやすくなるからです。

ソーシャルゲームの市場規模や業界状況については、以前書いたエントリー「ソーシャルゲーム業界に関する私の考察」が参考になると思いますので、こちらもご参照ください。(『ソーシャルゲーム株でリアルに3億稼いだブログ』管理人)

ソシャゲ株と据え置き型ゲーム株の「気になる関係」って?

ライバルにサヤ寄せする、据え置き型ゲーム会社のバリュー

最近の動きとして顕著だなと思うのが、伝統的な据え置き機のゲームを作っていた会社(コンソールゲーム会社)のバリュエーションが、徐々にソーシャルゲーム会社のバリュエーションに近づいていっているということです。

どの会社をデータとして採用するかによっても数値は大きく異なってくるので、イメージ的な感じの説明となってしまいますが、昨年夏くらいまではコンソール系のゲーム会社はPERベースで15倍~20倍位のレンジにいたような感じでした。

それが昨年秋以降、徐々にこのマルチプルが切り上がっていき、ソーシャルゲームのレンジ(30倍~40倍)に近づいていき、現在20倍~25倍くらいで推移しているように思われます。

スクウェア・エニックス・ホールディングス<9684> 週足(SBI証券提供)

スクウェア・エニックス・ホールディングス<9684> 週足(SBI証券提供)

バンダイナムコホールディングス<7832> 週足(SBI証券提供)

バンダイナムコホールディングス<7832> 週足(SBI証券提供)

理由としては単純に、コンソールゲーム会社がソーシャルゲームを作るようになり、一定の売上がたつようになってきたためと考えられます。

一方でソーシャルゲーム会社のバリュエーションは、逆に徐々に下がってきている感じがします。

ガンホーに代表されるように、大ヒット作を作った会社が継続的にヒットを作れるというわけではありません。

ガンホー・オンライン・エンターテイメント<3765> 週足(SBI証券提供)

ガンホー・オンライン・エンターテイメント<3765> 週足(SBI証券提供)

その意味で、大ヒットを作った会社がその収益を5年、10年と継続して稼げるわけではないので、ターミナルバリュー(継続価値)の評価が下がっている感じかと思います。

感覚的には、ソーシャルゲーム会社もコンソールゲーム会社も25倍~30倍くらいのところに収斂していくのではないかと思います(当然会社規模や収益状況によって異なってきます)。

「ブラウザゲーム会社のM&Aは起こらない」2つの理由

2年くらい前からMobageとGREEのゲームプラットフォーム(ブラウザゲーム)が縮小してきています。

それに伴い、この2つのプラットフォームにゲームを提供していた会社でネイティブゲームに上手く移行できなかった会社は、業績が急激に落ち込んできています。

このような業界動向から、私はMobageやGREE向けのゲームを作っている会社は、DeNA、GREEあたりに買収されるか、弱者同士で固まるのではないかと予想していました。

しかし、最近の各社の動きを見ていると、このような動きは起こらない可能性が高いと考えています。

理由としては、1つにDeNA、GREEがもはやブラウザゲームに力を入れていないという点、2つ目に弱いゲーム会社をロールアップしても意味がない(シナジーがない)という点が考えられます。

DeNA、GREEはゲーム事業は引き続き頑張っていくという方針は出していますが、どちらかというとネイティブゲームでのヒットを狙う方向に動いています。

ブラウザゲームのプラットフォームについては、もはや挽回できないと考えているかと思われます。

ディー・エヌ・エー<2432> 週足(SBI証券提供)

ディー・エヌ・エー<2432> 週足(SBI証券提供)

グリー<3632> 週足(SBI証券提供)

グリー<3632> 週足(SBI証券提供)

2つ目の、弱いゲーム会社が集まっても意味がないという点について少し詳しく解説しすると、ブラウザゲームとネイティブゲームは、同じ「ゲーム」とは言っても、開発方法、ゲーム性が大きく異なります。

そのため、ブラウザゲームでヒットを出した実績のある会社であっても、ネイティブゲームでヒット出せる保証はまったくなく、開発者を確保するという意味でのM&Aも起こらないような状況になっています。

また、ゲーム会社はユーザーも囲い込んでいるわけではないので、会社を買収してもその会社のゲームをプレイしているユーザーを獲得できるわけでもないため、ユーザー獲得という意味での買収インセンティブも働きません。

このようなことからブラウザゲーム会社のM&Aは起こらないと考えています。

Apple/Googleプラットフォーム時代はあと2年続く

コンソールゲームの歴史を見てみると、ファミコン→スーパーファミコン→PS→Wiiというような形で、ハードが時代時代で変わってきました。

ソーシャルゲームについても、ハードがガラケーからスマホに変わり、ゲーム自体もブラウザゲームからネイティブゲームへと移りました。

そこで、次のソーシャルゲームのハードやプラットフォームが何になるのか注目が集まっていますが、クラウドゲームやVR等々が次の候補として名前は挙がっているものの、この点についてはまだどのハードもプラットフォームも決め手がない状態です。

このような状況を考えると、少なくともあと2年くらいはApple/Googleの時代が続くように思われます。その意味では、ネイティブゲームに強みを持つ会社というのが今後もこの業界の中心になると考えられます。

「株で3億稼ぐ」メルマガ』(2015年7月31日号)より一部抜粋
※太字とチャート画像はMONEY VOICE編集部による

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