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底打ちの「コツン」が聞こえない日経平均株価 / 記録づくしの8月相場回顧 – 山崎和邦 わが追憶の投機家たち

投資歴54年の山崎和邦氏が思い出の投機家や重大事件を振り返る本連載。今回は特別編として、好評配信中の有料メルマガ『投機の流儀』最新号より、9/6時点の日経平均株価分析と8月相場回顧をお届けします。

山崎和邦 週報『投機の流儀』vol.170 2015/9/6号より、マネーボイス編集部にて再構成

底打ちの「コツン」が聞こえない日経平均株価

日経平均株価の、昨年10月の黒田バズーカ砲2の前の安値~今年6月高値の半値押しは17,743円である。

週末引け値の17,792円は心理的節目の18,000円を深く下回ったが半値押しは割らなかった(ザラ場で少々割りこんで17,608円まであったが、半値押しは割らずに保って引けた)。

実態は「年金の買い vs. 海外投資家の売り」による18,000円の攻防である。

REITの年初来安値も気になる。

原油先物の売買も膨らみ、この40年以上、筆者が金科玉条としてきた12ヶ月移動平均線の40%乖離が上下の切りかえし点だとう見方も怪しくなってきた。

安倍内閣における2回の9月は別として、「9月は安い月」と言うジンクスがあったが、9月に入って4日間で1,000円の大台を2回変えた。

先週は「行って来い相場」の典型となってしまった。

先々週末は、週足では長大ヒゲを為して陽線で終え、次週に期待を持たせる引け方だったが、先週、週初は罫線破りで裏切って始まり、それに輪を掛けて終わった。今週も安いと見た方が無難であろう。

<中略>

先週末は8月26日の安値を一時切った。当日は昨年10月安値~今年6月高値の半値押しだったが、4日(金)は一瞬それを僅かながらに切った。8月25日、夜間先物が一時17,160円まであったから、それを意識しているのかもしれない。

ここで、25日線との乖離は11~12%。騰落レシオは70%台に入る。PERは、EPSを今期1300円とすれば13倍台になる。7月までの世界先進国水準の16倍に比べて安い。カラ売り比率は過去最高の40%台。

こう並べて見ると、従前から述べてきたように下値はそう深くはない。8月は海外売りが3兆円以上あった筈だが、この水準で保っているのはそれだけ買いものがあったということだ。

今週はメジャーSQがある。その週の水曜日は「魔の水曜日」と言われてきたジンクスもある。いっぽう、9月に買い向かった者は一番投資効率が高いという言い伝えもある。

変化に富んだ、気の休まらない週になろう。

Next: 記録づくしの8月相場~7年ぶりの大幅下げ / 新値三段棒で月足陰転 ほか

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山崎和邦(やまざきかずくに)

山崎和邦

1937年シンガポール生まれ。慶應義塾大学経済学部卒。野村證券入社後、1974年に同社支店長。退社後、三井ホーム九州支店長に、1990年、常務取締役・兼・三井ホームエンジニアリング社長。2001年同社を退社し、産業能率大学講師、2004年武蔵野学院大学教授。現在同大学大学院特任教授、同大学名誉教授。

大学院教授は世を忍ぶ仮の姿。実態は現職の投資家。投資歴54年、前半は野村證券で投資家の資金を運用、後半は自己資金で金融資産を構築、晩年は現役投資家で且つ「研究者」として大学院で実用経済学を講義。

趣味は狩猟(長野県下伊那郡で1シーズンに鹿、猪を3~5頭)、ゴルフ(オフィシャルHDCP12を30年堅持したが今は18)、居合(古流4段、全日本剣道連盟3段)。一番の趣味は何と言っても金融市場で金融資産を増やすこと。

著書に「投機学入門ー不滅の相場常勝哲学」(講談社文庫)、「投資詐欺」(同)、「株で4倍儲ける本」(中経出版)、近著3刷重版「常識力で勝つ 超正統派株式投資法」(角川学芸出版)等。

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