リーマン・ショックから10年、投資家たちは警戒感を強めています。この次に相場の暴落が起きるとなると、その規模は前回をはるかに超える可能性があります。(『今市太郎の戦略的FX投資』今市太郎)
※本記事は有料メルマガ『今市太郎の戦略的FX投資』2018年9月12日号の抜粋です。興味を持たれた方は、ぜひこの機会にバックナンバー含め初月分無料のお試し購読をどうぞ。
「次」こそヤバい? 暴落を知らぬミレニアル世代とAIはどう動く
リーマン・ショックと呼ぶのは日本だけ
国内では2008年に起きた世界的な金融危機をすっかり「リーマン・ショック」と名付けて、その名が定着してしまった感があります。
世界的に見てリーマン・ショックと呼ぶのはなぜか日本だけで、欧米では世界金融危機として認識されています。多くの金融機関が打ちのめされたわけですから、単にリーマンの問題だけではなかったという評価が根強いためなのだろうと思います。
まあ名前はともあれ、ことの発端は購買力のない人間を相手にサブプライムローンで大量に住宅を販売し、そのジャンク債を細かく刻んで加工しなおすことで「トリプルAの債券」に仕立てて販売することで、リスクを他人に押し付けてしまうという恐るべき債券販売の手口でした。
当初問題が起きてからも、どれだけの損害になるのか、だれが損害を被るのか、さっぱりわからないまま問題発覚から1年以上も経過。結局、リーマンブラザーズの破綻がきっかけとなって相場の大暴落を示現することになったのは記憶に新しいところです。
10年に一度の暴落を気にするレガシーな投資家層
各メディアではこの時期、リーマン・ショックの再来はあるのかといった特集記事を掲載しています。
金融市場で長く売買をしてこれまでにもいくつもの暴落を経験しているレガシーな投資家層は当然、10年に一度は必ず米国市場を襲う相場の大暴落にかなり神経質になっているようです。
相場の暴落後に買いに出て逆張りで大きな利益を収めてきたウォーレン・バフェットも、保有株式を売却して現金保有比率を急激に高めて相場下落に備えているといいます。
しかし、この次に相場の暴落が起きるとなると、2000年以降に起こった過去2回のケースとはかなり異なる風景が広かるリスクが高く、その規模は前回をはるかに超える可能性すら出てきているといえます。
「次の暴落」の破壊力はケタ違い?
今後に起きるであろう相場の暴落は、中央銀行が主導で人工的に値付けをおこなってきた相場の過剰流動性の終焉、巻き戻しとなります。
2000年の「ITバブル崩壊」、2008年の「不動産バブル崩壊」といった特定のセクターだけを起因としたバブル崩壊とはまったく異質の、「全資本市場バブル崩壊」につながるリスクが極めて高くなっています。
恐らく我々が20世紀から経験してきた相場の暴落の中では、もっとも破壊力のあるものに遭遇することになる点が心配されます。