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傾斜、偽装、会社乗っ取り…なぜ不動産業界は犯罪に巻き込まれたのか?=姫野秀喜

最近、不動産に関しての不祥事が世間を賑わせています。

1つは、横浜で大手デベロッパーの立派なマンションの基礎工事が手抜きだったこと。もう1つは、茨城県の不動産会社経営の方が行方不明になり、その会社が容疑者に乗っ取られていたことです。

そこで今回は、「不動産」を取り扱う人たちはなぜ犯罪に巻き込まれやすい(ように見える)のか、個人的に思うところを述べてみたいと思います。(「1億円大家さん」姫野秀喜)

プロフィール:姫野秀喜(ひめの ひでき)
姫屋不動産コンサルティング(株)代表。1978年生まれ、福岡市出身。九州大学経済学部卒。アクセンチュア(株)で売上3,000億円超え企業の会計・経営計画策定などコンサルティングに従事。合間の不動産投資で資産1億円を達成し独立。年間100件以上行う現地調査の情報と高い問題解決力で、顧客ごとに戦略策定から実行までを一貫してサポートしている。

不動産投資家は慌てる必要なし。理解しておきたい2つのポイント

(1)「素人にはお手上げ」の罠

大手デベロッパーが関与した横浜マンション傾斜問題については、基礎の部分の杭が強固な地盤に届いていないだけでなく、その設計の元となる検査データまで虚偽のものを流用するなど、「まさか」を通り越して、どうしようもない実態が発覚しています。

建築物には瑕疵担保責任(かしたんぽせきにん)と呼ばれる責任が生じます。

これは民法に基づくもので、時効成立までの10年までは問題を発見したら責任追及ができるというルールです。当たり前のことですが今回の件ではデベロッパーが責任を取るようで、まだマシでしょう。

まぁ、工事の基礎データ改ざんなど悪質なことをしているので、会社の風評や社会的制裁を考えると、責任を取るしかないと思います。しかし、これはむしろラッキーな方だと思います。

というのも、分譲マンションでは一般的に瑕疵担保責任を引き渡しから2年にする特約がついているからです。つまり、2年くらいで責任追及から逃れられるという契約です。

もっとも、超大手でもない限り、自分が建てたり売ったりした物件の責任を取り続けるのはかなり厳しいですし、業者が倒産しては責任を取る人がいなくなるので、しかたのない特約だとは思います。

大手デベロッパーではなく、中小の建設会社や不動産会社が売っている建物だったらどうでしょう。今回のような事件が起きても、すでにその会社は倒産しているかもしれませんし、特約を盾に責任を取らない可能性もあります。

これでは買主は泣き寝入りしかできません。

一応、建築基準法などで大規模建築は検査などが義務づけられていますが、その検査でも発見できなかったわけですから、まぁ、素人にはお手上げですよね。

この「素人にはお手上げ」というところに犯罪の余地があるのだと姫ちゃんは思います。高度に専門的な知識や経験がないと分からないから、ごまかしの余地が生まれるわけです。

Next: (2)犯人「どうせやるなら大きくやっちまえ!」の罠とは?

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