ボックスの上限はどこか?カラ売り筋は苦しいものの――
東証1部の騰落レシオは最近上昇傾向だったが、今週は130%台には達するだろう。
このところ、騰落レシオ140%台に乗せて一見「超過熱圏」まで上昇すると、そこから日経平均は最大1ヶ月間程度は堅調を維持する傾向があった。しかも、その期間が一番儲かった。
今回は12月3日にECBが追加緩和をする公算なので、カラ売り筋の進撃は難しい。よって12月初旬まで株価堅調との見方は十分可能だろう。
NY株は、見方によってはW底を形成したかにも見え、これがボックスを上抜けていくと見れば、日本株はボックス圏内としても上限一杯まで粘る可能性がある。
19,000円と2万円との間は滞在日数が少なく出来高累計は薄いので戻り売りは少ないが、いわゆる大天井を付けた可能性の高い相場の上限は前ページの前半でも述べた19,200円と19,400円との窓埋め程度のものであろう。
ただし、この水準からのカラ売りはない
アベノミクス相場が日柄の関係もあって、いわば“賞味期限切れ”となり、株式相場はそれを先取りして大天井を打った可能性を本稿で繰り返して述べてきたが、「老年期相場」がもう一幕ある可能性もある。
普通は老年期相場は壮年期の高値を抜かないものだが、直近の実例では2007年7月に壮年期の高値を少々ながら抜き、郵政選挙相場として大いに活況を呈したケースがあった。
では、その老年期相場が大相場になる可能性の契機は何か。その一つは、以下のような形になって、世界株式市場が「全体として」老年期相場を迎える可能性である。
- イエレンさんありがとう!利上げ延期の間に一稼ぎ
- ドラギさんありがとう!これを機会に一稼ぎ
- 中国蹉跌よありがとう!中国停滞が世界相場に一息入れて反落させてくれたから次の飛躍のバネにできる
大相場はすべて政策と一体だったと本稿で何度も述べてきた。日本だけが一大政策を打って出ても一国だけでは知れている。しかし世界市場全体で同様の動き、特にNYの動きが新規に出てくれば、別の局面が展開される可能性も無いとは言えないのである。
ゆえに、この戻りが所詮は中間反騰と見ても、ここからのカラ売りは筆者ならやらない。
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