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中国人の「日本爆買い」に不安なし。選挙期間の台湾訪問禁止も追い風=木星力

中国の景気減速により訪日外国人客数の減少が懸念されている。ただ実際には、少なくとも2016年前半までその心配はなさそうだ。(投資日報デイリーリポート・木星力)

爆買い止まらず。台湾総統選挙の「1ヶ月前」がポイント

心配ない訪日外国人客数

訪日外国人客数は中国の景気後退で減少するとの予想もあるが、今のところ来年前半までは心配はなさそうである。

来年1月13日に台湾総統選挙が行われる。政権を握る国民党の馬英九総統は3選目となるため立候補はできない。当初、女性候補同士の戦いと見られたが、国民党の洪秀柱候補が大陸との統一発言などが影響して候補者を降ろされ、代わりに男性の朱立倫候補が指名された。野党の民主進歩党からは蔡英文候補が出馬。

実は、この選挙の1ヶ月前から、中国人客の台湾訪問は禁止される。その間に日本を訪問する中国人客は、再び急増することになりそうである。

中国政府による爆買い抑制発言も出ているが、生活必需品が現地日系スーパーの3分の1の価格で買えるため、親戚友人の依頼による購入も相当数あるようだ。

さらに、日本に何度も訪問して商品を大量に買付け、それをネット売買する人も増加。当分は日本商品購入目的の中国、台湾、香港からの観光客らしき人の訪日は減少しそうにない。

本邦株式市場は財政政策の出番に

海外株式市場は大変堅調に推移。先に調整に入ったドイツDAXやNYダウ、NASDAQは戻りが早くなってきた。いっぽう日本市場は約1ヶ月遅れて調整に入ったから、戻りのペースはまだゆっくりだ。

米国では利上げの時期を失したため、12月利上げのコンセンサスを必死に作ろうと試みている。ECBのドラギ総裁は12月に一層の緩和策を打ち出すとすでに表明した。

さて、BOJの黒田総裁は10月30日の緩和策発表を予定通り見送ったが、GDP発表が11月16日にあり、この悪化を理由に19日の緩和策発表が期待されている。

だが、為替が120円近辺にある限り、ここで新たな金融政策を打ち出すのは難しい。むしろ、勤労者の所得引き上げの政策や、企業へ設備投資を促す減税索など、気の利いた財政政策の出番だと考える次第だ。

アベノミクスの新3本の矢が加わった「6本の矢」が高齢低所得者、非正規労働者と組合労働者、対する経営側3団体の双方のマトに的中することが消費の増加に繋がり、景気押し上げにもなる。

「新産業革命」前夜

日本はまさに新産業革命の前夜。このチャンスをうまく生かすためには、国民一人ひとりの知恵を集結する必要がある。ところが驚いたことに、iPS細胞の研究施設の9割近い人材が非正規社員というのが現状。不安定な職場で真の研究が進むのか、誠に疑問である。

どこまでも個人の忍耐に頼っていては、技術先進国の道には程遠いのではないか。改めて富の再分配を真剣に考える時期だ。

最後に、日本では根付いていない成長株投資をお奨めしてきた。昨年来、サイバーダイン<7779>を伝えていたが、ようやく国内外で医療機器として承認される局面に来た。株価面でも大きく変化する時間帯に入ったと考える。

【初出:商品版投資日報 11月4日号】

【関連】【中国】データでひもとく「一人っ子政策」撤廃の経済効果=田代尚機

投資日報デイリーリポート』(2015年11月6日号)より一部抜粋、再構成
※太字はMONEY VOICE編集部による

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