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避けられない「世界同時不況」は2019年に起こる?引き金を引くのは中国か米国か欧州か=高島康司

日本の主要メディアでは、2019年は日本でもアメリカでも経済のファンダメンタルズがよいので、多少の減速はあるもののゆるやかな成長は堅持されるとの見通しが多い。果たしてそうだろうか?深刻な世界不況が年内にもやってくる可能性について解説したい。(『未来を見る! 『ヤスの備忘録』連動メルマガ』高島康司)

※本記事は有料メルマガ『未来を見る! 『ヤスの備忘録』連動メルマガ』2019年1月25日号の一部抜粋です。ご興味をお持ちの方はぜひこの機会にバックナンバー含め今月分すべて無料のお試し購読をどうぞ。

2019年5月前に不況に突入?世界経済を悲観する声が高まっている

深刻な世界不況が年内にもやってくる…

日本の主要メディアでは、2019年は日本でもアメリカでも経済のファンダメンタルズがよいので、多少の減速はあるもののゆるやかな成長は堅持されるとの見通しが多い。

たしかに、日米の雇用統計や個人消費、そして住宅着工件数などの基本的な指標を見ると、伸びがスローダウンしている数値はあるものの、悪化はしていない。そうした数値を見ると、「ファンダメンタルズはよいので不況はない」とする見通しにも、それなりの根拠があるように見える。

しかしながら、トランプ政権の保護主義政策、米中の出口の見えない貿易戦争、イギリスの合意なきEU離脱の可能性、ヨーロッパを席巻するナショナリストのポピュリズム運動など、世界経済の拡大を支えていた自由なグローバル経済の基本的な枠組みが目の前で崩壊しつつある

そうした状況で、世界経済がこれから深刻な不況に突入し、日本を含め各国にも大きな影響が出てくるのではないかという懸念がある。

ファンダメンタルズがよいので経済は大丈夫だとは言っていられない状況なのではないだろうか?そんな疑問があってもおかしくない。本当はどうなのだろうか?

実際の状況はどうなっているのか、知りたいという気持ちが強くなっている。

IMF、世界経済見通しを下方修正

そのようなとき、IMF(国際通貨基金)は2019年の世界経済見通しを発表した。これは、半年前に発表された見通しの下方修正となった。

世界経済全体の成長率は2019年では3.5パーセント、2020年は3.6パーセントの見通しとなった。これは前回の発表よりもそれぞれ、0.2パーセント、0.1パーセントに下方修正された。

また、アメリカの成長率は従来と同じ2.5パーセントに据え置き、2020年に1.8パーセントに減速すると予測した。共和党主導の減税措置の効果が薄れ、景気が金利上昇に反応すると指摘した。

さらに日本の成長率については、政府が10月の消費増税を見据えた経済対策を発表したのを受け、2019年を1.1パーセント、2020年を0.5パーセントとそれぞれ0.2ポイントずつ予想を上方修正した。

そして中国の今年と来年の成長率予想は6.2%に据え置いた。

インドの今年の成長率は従来予想より0.1ポイント引き上げ7.5パーセントとし、2020年は7.7パーセントとの見通しを示した。

これを見る限り、2019年や2020年に世界経済の減速は限定的で、不況に突入するとは考えられないとの印象を持つ。

Next: 2020年までは不況は来ない?各国の政府データでは安心できるが…

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