テロはEU・ユーロ圏解体の序章か?ECBの追加緩和に影響も
突き詰めれば、今回の事件はEUとユーロ圏解体の序章であり、これで「悪いユーロ安」が加速する公算が高まったと言えますし、ECB(欧州中央銀行)が目論んでいる追加量的緩和政策は、実施しなければ市場は失望しますし、強行すれば「悪いユーロ安」を促す要因になります。
要は進むことも退くこともできなくなったのですが、換言すれば今回の株高はこれで終わり、世界各地の市場で混乱が始まると考えられます。
いわゆる「イスラム国」の面倒を見ているのがサウジアラビアという私の持論が正しければ、その「国家」が樹立されていた時点で、今回の「パリ襲撃」計画は綿密に立案されていたと推測され、「親オバマ勢力」が攻勢に出た場合の反撃策として採用されていたとみられます。
つまり、たまたまこの時点で相手が動いたから、計画を実行に移しただけで、これだけ大掛かりな工作を完璧に遂行するとなると、付け焼き刃では不可能です。
付言しますと、オランド大統領は早々に「IS=イスラム国」の犯行と断定してますが、何ら事前に察知することもできずに出し抜かれた政府が、犯行の実行者だけは迅速に掴めるというのは解せない話。何らかの政治的配慮があれば別ですが、率直に言って眉唾物です。
五輪問題に絡んでブラジルが標的になる恐れ
今回の事件の本当の教訓は、「親オバマ勢力が攻勢に出れば、反撃策は用意されている」ということで、とすればリオデジャネイロ五輪へのロシアの参加が認められない時は、五輪開催ができなくなるようにすれば良いという結論になります。
すなわち、ブラジルをそこまで追い詰めれば済む話で、デフォルトを余儀なくさせるか、その手前まで追い込んで、五輪どころではなく、開催を返上させる立場に置けば万事解決です。
あるいは経済的疲弊が著しいですから「経済テロ」も有効ですし、破綻寸前の国家経済は社会不安を醸成していますから、「社会的無秩序の創出テロ」も考えられます。
ブラジルの場合は、何も「イスラム国」に暴れてもらわなくとも構わず、手段は他にいくらでもあります。
例えば、現実になりつつありますが、一次産品価格の下落に拍車が掛かれば、南米の弱小国から音を上げることになり、それが地域大国ブラジルに波及すれば、どのような結末を迎えるか、贅言(ぜいげん)を要しないと思われます。
世界株式市場への影響は未知数
今週(~11月13日)は看過できない出来事が集中的に表面化しましたが、パリの同時多発テロで、そのすべてが霞んでしまった感があります。何もかも吹っ飛んだというのが率直な感想です。
それでなくとも週末(11月13日)の米欧市場で弱含んだ国際株式市場が、週明け以降(11月16日~)どのような展開になるのか想像しかねます。株式市場に限って言えば、新たな段階に突入したと言えます。
『本格株式講座 世界情勢最新分析報告書』2015年11月14日号より一部抜粋、再構成
※太字はMONEY VOICE編集部による
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