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特定秘密保護法と安倍内閣の「政治主導」~議事録はどこへ消えた?=不破利晴

なぜ?作成されなかった「集団的自衛権」に関する議事録

ここで私は非常に疑問に思うのだ。その疑問は2015年11月25日の東京新聞1面の連載記事「言わねばならないこと」に目を通した時に沸き起こった。

この連載記事は、特定秘密保護法について幅広い方面より識者や文化人の意見を掲載するもので、この日で58回目となっていた、いわば東京新聞らしい連載記事である。

この日は、長野県短大助教で公文書管理の専門家である瀬畑源(せばた はじめ)氏が、専門である公文書管理の観点から特定秘密保護法を語る内容であった。そこに見逃せない記述があったのである。

そもそも内閣法制局は、憲法解釈を変えて、集団的自衛権の行使を容認した昨年七月の閣議決定に関する内部検討の議事録を残していなかった。文書自体がなければ、公開しようにもできない。

出典:【言わねばならないこと】(58)情報公開 市民の声で 公文書管理の専門家・瀬畑源氏 – 東京新聞

ないがしろにされた「官僚の流儀」

前掲の『現役官僚から学ぶ仕事の極意』を読んだ者なら「おやっ」と思うだろうし、この内閣法制局の文書管理に大いに違和感を持つだろう。なぜなら、省内のミーティングですら議事録を残さなければ気が済まないのが官僚というものであった。これこそが官僚を官僚足らしめている源泉であったはずだ。

しかし、内閣法制局は、よりによって集団的自衛権の閣議決定に関する議事録を作成していなかった。これは、官僚文化を大いに逸脱した行為だ。

この法案に関わった官僚たちはこれで納得できたのだろうか。矛を収めることができたのだろうか。甚だ疑問である。

加えて、『現役官僚から学ぶ仕事の極意』によれば、法をつくることも「踏襲」であることに起因するらしい。つまり、今までに存在する法律用語を使わないと、法律として認められないようなのだ。だから「過去に同様の言い回しがあったか」が非常に重要な問題になる。

この慣習からも、官僚に大きなストレスを与えただろうことは想像に難くない。

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「あなたにとってハッピーな世の中とは、どのようなものですか?」驚かせてすみません。私は不破利晴と申します。私は、元駐レバノン特命全権大使・天木直人氏と共に、「インターネット政党」の成功に向けて活動しています。インターネット政党『新党憲法9条』のWebサイトをつくり、日々の運用管理をしています。想像して欲しいことがあります。→「毎日働き詰めで辛くありませんか?」→「生きることに目的を見失って辛くありませんか?」→「あなたにとってハッピーな世の中とは、どのようなものですか?」インターネット政党の主役は「あなた」です。

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