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黒田日銀の「大誤算」~マイナス金利で円高・株安が起きた真の理由=吉田繁治

(3)ユーロの3大指標をチェックする~ドイツ銀行ショックの影響は?

ユーロ

15年12月末 16年2月1日 2月10日
ユーロ/ドル 1.09 1.13
長期金利 0.6% 0.2%
ドイツDAX 1万700 8939

ユーロは、下がったドルに対し、さらに下がっています。

現在は1ユーロ=$1.13=129.3円です。リーマン危機の直前(2008年6月)は、1ユーロ=$1.60というユーロ高でした。現在はその30%安になっています。根本的なところで、ユーロの経済状態が良くないことが効いているからです。

ユーロが下がっているので、ユーロからは、「円国債の買い」が見られます。これをメディアは「安全資産」への避難と言っているのでしょう。下がるユーロより、ドルに対しても上がっている円が「安全」だからです。

DAXはドイツの株価指数です。1万700から8939へと16%も下げています。日本の株価の17%下落とほぼ同じです。2つの理由があります。

(1)年間1000万台を生産するフォルクスワーゲンの、排気ガス偽装問題の処理費用と賠償金
(2)保有している南欧債と、中国株によるドイツ銀行の巨大損失。2015年12月期は、68億ユーロ(8800億円)の赤字

です。

ドイツ銀行の株価は、2016年の年初から40%も下落しています。今、2016年4月の3億5000万ユーロ(4300億円)の利払いが不安視されています。ドイツ政府かECBに頼ることになるかもしれません。ドイツ銀行は、デリバティブの保有高(エクスポジャー)が大きく、経営が危ぶまれていました。

【関連】クルーグマンと浜田宏一氏の誤り~『2020年 世界経済の勝者と敗者』を読む=吉田繁治

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