ハリー・デントの予測「NYダウ6000ドルへの、まさに悪夢の始まり」
ジム・ロジャーズやハリー・デント(Harry Dent)の予測は凍り付くような内容です。
経済学者にして人口統計を使って経済予測を行うを“経済の未来予報士”として有名なハリー・デントは、2008年の世界的な金融危機を正確に予測し、中国バブルの崩壊も言い当てましたが、彼が予測した2014年よりも1年遅れました。
それでも、彼は「仰天するほどの正確さ」で、依然として評判の男です。
ハリー・デントの今回の予測は、「3月上旬から、リーマンショックを超える金融危機が起きる危険性がある」というものです。
ハリー・デントは、「NYダウは、今後1年~1年半で5500ドル近辺まで暴落する恐れ」があると言っており、そうなった場合、下落率は65%以上。NYダウと連動性の高い日経平均にあてはめると5600円近辺になるということになります。
また、2013年12月のビジネス・インサイダーには、
人口統計学による米国の最悪の経済動向は、2014年から2019年の間に襲ってくるだろう。米国経済は、2015年初めまでに大なり小なり、崩壊の憂き目にあうだろう。そして、2017初めから2019年初め、遅くとも2020年初めの間に、もう一度経済崩壊するだろう。
と、大胆な予測を乗せています。
いまのところ、市場崩壊の直前に急激に上昇するVIX指数は、16.70(2016年3月4日)と、かなり安定しており、米国・株式市場に崩壊の兆候は見られません。ただし、凪(なぎ)のような市場の状況から、再び「3月利上げ」懸念が再燃しており、今月15、16日に開催される米連邦公開市場委員会(FOMC)の決定に焦点が集まっています。
さらに気になるのが、米国の不動産市場で、短期の住宅転売により利ざやを稼ぐ動きが過熱していることです。
住宅の短期所有、短期売買の件数は、過去最高だった2005年の水準を超えてきており、住宅バブルの破裂によっては、今回も、サブプライム・ローン破綻と同じパターンになりそうです。悪いことに、その規模は想像できないほど大規模になります。
FOMCで利上げが決定的となれば、その瞬間、株式市場は暴落し、不動産バブル破裂の引き金を引くことにつながる可能性もあります。
そのとき、ハリー・デントの予測は当たることになるでしょう。
ハリー・デントの「3月上旬から、リーマンショックを超える金融危機が起きる危険性がある」との予測について、さらに詳しい記事が、3月2日のEconomy Markets Dailyに掲載されています。