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日銀はしばらく動けず?安倍総理が国会で「円高容認」答弁=武田甲州

先日の国会における安倍総理の円高容認発言の影響は?日銀はしばらく追加緩和に動けなくなる?メルマガ『証券アナリスト武田甲州の株式講座プライム』が解説します。

一国の総理大臣が円高を容認することの影響は侮れない

円安は日本経済への不信認?安倍総理答弁

先日国会で安倍総理は、足元で円高が進行していることについて、「世界で一番リスクが少ない円が買われている」「日本の経済に対するある種の信認というものがある」と答弁しました。

これはどういうことかというと、「日銀の金融緩和で円安を誘導する政策」は「すでに過去のもの」「円安は日本経済への不信認」と自分で宣言したようなものです。

3年前の4月に黒田総裁は異次元緩和を打ち出しました。100円だったドル円為替は15年に125円まで円安が進行、同時に日経平均株価も21000円一歩手前まで上昇したのです。

米ドル/円 週足(SBI証券提供)

米ドル/円 週足(SBI証券提供)

16年3月期の企業業績は15年に125円まで進行した円安を背景に増益となりましたが、17年3月期は110~113円が想定為替レートに設定されるでしょう。輸出関連企業の大部分は減収減益になる可能性があります。

輸入品の値下がりから国内物価は値下がり傾向を強めるかもしれませんし、デフレが明確になるなら一段円高のリスクも出てきます。

3月第2週の株価の動きはやや「リスクオン」の状態になってきており、そこまで心配しなくてもいいだろうという機運も出てきています。

それでも17年3月期が減収減益になるリスクは小さくはありません。

「森を見ながら、一方では一本一本の木の状況を良く見る」相場が到来したようです。デフレだろうが、景気が悪かろうが成長を続ける企業は存在します。そういう企業の発掘を急ぐべきと思います。

3月14日は会社四季報春号発売日です。グッドタイミングだと思います。

一国の総理大臣が円高容認をしたことの影響は小さくはないでしょう。この発言を聞いてたことで日銀はしばらく緩和をしないかもしれません。

【関連】ドラギ追加緩和の狙いと“あり得る”米3月追加利上げ/日本景況感に黄信号

証券アナリスト武田甲州の株式講座プライム』(2016年3月13日号)より
※太字はMONEY VOICE編集部による

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