意外に自由度が高いFX会社の役割
ではFX会社は何をしているのでしょうか? 一般個人の小口注文を受け付けるのは証券会社と同じですが、その先にインターバンク市場につながっているのが株式取引とは違うところです。
いま、個人からのドル/円の買いが1万ドルずつ100件、計100万ドルきたとします。FX会社は、その100の注文をひとつひとつインターバンク市場に流したりはしません。ディーリングの判断次第で、10万ドルの注文を10回に分けて出すかもしれませんし、100万ドルの注文を1回流すのかもしれませんし、はたまた全く流さないかもしれません。この、FX会社がインターバンク市場に流す注文を「カバー」、注文が執行されることを「カバーを取る」と言います。
FX会社の特徴
- 小口の注文を受け付ける
- いちいちインターバンク市場に流さず、ある程度まとまった段階で「カバーを取る」
最近は、「インターバンク直結型」を謳ったFXのサービスもいくらか出てきました。これらは顧客の注文を逐一インターバンク市場に流すタイプのサービスですが、一般的には取引単位が大きい・約定率が低い・別途取引手数料が徴収される、といった傾向があります。
FX会社はカバーの取り方で利益がずいぶん変わってきそうだ、と思った人は鋭いです。次回はこれをもう少し詳しく説明していきます。
岡嶋大介(ソフトウェア作家兼投機家)
株式会社ラガルト・テクノロジー
「ラガルト」はスペイン語で「とかげ」です。2005年10月に、私がバルセロナに旅行したときに訪れたグエル公園の有名な像を見て思いつきました(この像はとかげじゃなくて蛙という説もあるのですがまあいいですよね)。この会社は、どちらかというと私の個人的な活動を下支えする色彩が強いので、自分の気に入ったものを使って命名しようと思いました。この他、最近は更新が滞りがちですが、個人のtwitterアカウント、blogがそれぞれあります。