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「2018年1月1日から世界金融危機が本格化する」著名コラムニスト予測の根拠

いま日本で起こっていること~報道されないスティグリッツ来日の真相

日銀の果敢な量的金融緩和によって薄日が差し始めていた日本経済が、再びデフレの崖っぷちに追いやられてしまったのは、安倍首相が、浜田宏一イェール大学名誉教授の「増税は時期尚早」の警告を振り払うようにして、2014年4月、5%から8%の消費増税を決行したことが主な原因であることは間違いのないことです。

この愚を再び犯さないようにと、反増税派の本田悦朗内閣官房参与の招きによって、2014年11月初めに来日したのがノーベル経済学賞受賞者のポール・クルーグマン教授でした。

このとき、安倍首相は、クルーグマン教授から、8%から10%への消費増税を強行することのリスクをとんとんと諭されたことによって、消費増税延期を決定し、11月21日の衆院解散総選挙を宣言したのです。

安倍首相の腹の内は、すでに「延期」だったわけですが、公に宣言するために何らかの外圧を欲していたということです。

このとき、「10%引き上げは、たとえどんな理由があろうとも、1年半後の2017年4月には実施する」と宣言した安倍首相でしたが、アベノミクスの失敗が決定的となった今、日銀は最終的な手段である禁じ手のマイナス金利導入にまで追い込まれてしまいました。

そこで、今回も、安倍官邸はポール・クルーグマン教授に頼ることとなったのです。

安倍首相は、消費税引き上げの最終検討を行うための国際金融経済分析会合を設け、その第1回目が3月16日午前、首相官邸で開かれました。

初会合に呼ばれたのは、やはり、ノーベル経済学賞を受賞したジョセフ・スティグリッツ米コロンビア大学教授

政府の「スティグリッツ教授は、2017年4月からの消費税率引き上げに否定的な見解を示した」との発表を受けて、日本のメディアはいっせいに「10%先送りか」と報じていますが、事実はまったく違います

スティグリッツ教授が日本側に提言したのは、「TPPは悪い貿易協定であるというコンセンサスが広がりつつあり、米国議会で批准されないであろう」ということと、安倍首相に直接、「アベノミクスを停止し、経済政策を180度転換することによって、7月のG7サミットで主導権を取るべきである」とアドバイスしたことの2点で、来年4月に予定されている消費増税には触れていないのです。

国際金融経済分析会合とは、安倍官邸が、夏の参院選対策のために、ノーベル経済学受賞者という権威を借りて本来の公約であった「10%見送り」を正当化するためのイベントに過ぎなかったわけです。

なぜなら、官邸は、スティグリッツ教授の中心的提言であった「TPP問題」と「アベノミクス」については触れず、スティグリッツ教授が言ってもいない消費増税問題をことさら強調しているからです。スティグリッツ教授は、それに利用されたのです。

Next: クルーグマンが「10%増税の延期を主張した」も正確な報道ではない

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