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さらば中国。総額700億円投じ、マスクや消毒液の工場を国内移転へ

政府は、中国に一極集中しているマスク・消毒液などの工場を国内に移す企業などを対象に、およそ700億円を補助する方針を固めたとNHKなどが報じた。対象となるのは、中国から国内に生産を回帰させる57件の事業と、中国から他国に分散させる事業30件の事業。政府は、生産拠点を分散させ、サプライチェーンの強化につなげたい考えだ。

コロナ禍で明らかになった「中国頼り」

新型コロナウイルスの脅威が日本を襲った1月下旬。「使い捨てマスク」の需要が高まり、ドラッグストアなどから在庫が消えた。品薄状態はしばらく続き、フリマサイトやオークションサイトでの高額転売も多く見られた。政府はこうした状況を踏まえて、購入価格を超えた価格でのマスク転売を禁止。違反した者は1年以下の懲役または100万円以下の罰金、またはその両方が課せられることとなり、価格はだいぶおさまった。

このように「使い捨てマスク不足」にはさまざまな対策が取られてきた。それでもしばらく品薄が解消されなかったのは、「世界的なマスクの生産地が中国だった」ことにある。日本も例に漏れず、国内で流通する7割以上のマスクを中国からの輸入でまかなっていた。中国で新型コロナウイルスの感染拡大が落ち着き、輸入が再開されてからも、世界的なマスク争奪戦により価格が高騰。中国から購入できない状態が続き、品薄状態がなかなか解消されなかったのだ。今回の騒動で、特定の国に生産拠点を集中させるリスクについて改めて気づかされた国民は多いだろう。今後は、バランスよく生産拠点を分散させてほしい。

Next: ずっと国内生産で頑張ってきた企業は…?

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