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Pornhubアダルト動画大量削除で事実上終焉、国別アクセス数2位の日本で悲鳴続々

人気のアダルト動画サイト「Pornhub」において、アップロードされていた動画の多くが消えるという非常事態が発生し、世界中のポルノ愛好家から悲しみの声があがっている。

各社の報道によると今回の事態は、承認済みユーザーおよびコンテンツパートナー以外、いわゆる未承認ユーザーによってアップロードされていたコンテンツを、Pornhubがすべて削除したことによって起こったもの。同時にPornhubは、動画のダウンロードも禁止にしたという。

試しにサイトをチェックみたところ、確かに視聴できるのは投稿者名の傍らに認証済みバッジのマークの付いた動画のみ。今回の処置により、Pornhubにアップロードされている動画本数は約78%減少したとの報告も一部ではあがっている。

このような事態が起こったのは、過去にピューリッツァー賞を受賞したこともあるアメリカの著名なジャーナリスト、ニコラス・クリストフ氏による告発がきっかけ。「Pornhubには未成年の動画が含まれている」「他にもリベンジポルノや隠し撮りといった、合意に基づかないと思われる違法なコンテンツがあり、それが収益化に利用されている」といった内容の記事が、アメリカの高級紙「ニューヨーク・タイムズ」に掲載されたのだ。

Pornhub側はすかさず記事の内容を否定したものの、批判の声は瞬く間に拡大。またアメリカの「性的搾取に関する国立センター(NCOSE)」なる団体も、Pornhub内でのクレジット決済を受け持つマスターカードやVISAに対して「未成年を含む不適切な動画から利益を得ている」と非難し、これに対してカード会社側が、Pornhubとの取引関係を見直す検討に入るという事態に。こういった状況の悪化を受けて、Pornhubも今回の処置に泣く泣く踏み切らざる得なかったようだ。

日本からのアクセスが世界で2番目に多いPornhub

ネットでアダルト動画を見ないという方にとっては、あまりピンと来ないかもしれない「Pornhub」というサイト。2019年6月に集計された「世界でアクセス数の多いウェブサイト」の統計を紹介した記事によると、「Google」「Facebook」「Wikipedia」などの誰もが知るサイトに続いて、なんと第8位のアクセス数。動画サイトだけに絞ると、「YouTube」に続いて世界で2番目に多く見られているのだ。

さらに、2019年末にPornhubが発表した「2019年のアクセス統計」によると、総アクセス数は420億回で1日あたりでは1億1,500万回のアクセス。年間で390億回の検索が行われ、アップロードされた動画は683万本、136万時間分という、まさに巨大サイト。ちなみにPornhubを運営するカナダのMindGeek社は非公開会社だが、2015年の売上高は4億6,000万米ドルにのぼるといわれる。

国別での視聴者が最も多いとされるアメリカ国内において、Pornhubは広く知られた存在で、あの有名ラッパーのカニエ・ウェストも、テレビ番組で熱心な視聴者であることを公表。それに対して、Pornhubからは永久無料会費権が送られ、さらにコラボグッズも制作したこともあるという。さらに過去には、手の激しい上下運動で充電するリストバンド型ガジェットを開発し、日本国内でも「まさに自家発電」ということで話題となった。

そんなPornhubだが日本との関わり合いも深く、先述の「2019年のアクセス統計」によると、日本は国別でアメリカに続いて2番目のアクセス数が多いとのこと。さらに同統計による「最も検索された単語」部門では、なんと「japanese」が第1位に、さらには2位に「hentai」が入るなど、サイト内において日本産のアダルトコンテンツはかなり幅を利かせていたようだ。

「Pornhub」の呼び方で揉める人々も

そんな最中に起こってしまった、今回のPornhubにおける動画消失騒動。消えてしまった動画が、今後復活する見込みはほぼなさそうという見方が広がっていることもあり、多くの悲しみの声が日本国内からもあがっているが、特に後悔している様子なのが、自分のお気に入りの動画があるページをブックマークして楽しんでいたという人々だ。

回線が貧弱だった大昔なら、お気に入りの動画はダウンロードしておくのがセオリーだったように思われるが、昨今では高速回線がすっかり行き渡り、サイトに行ってクリックすれば、すぐさま再生することが可能に。また家族などの目があって、アダルト動画をダウンロードしてPCなどにストックするのが憚られる方は、そのような形で動画をいつも利用していたと思われるが、それらも今回の処置によってほとんどが水泡に帰す形に。このような悲しみの声に対して、他のユーザーからは「いつまでも あると思うな 親とPornhub」と、ネットコンテンツが必ずしも永遠ではないことを戒める声も多くあがっていた。

また、Pornhubの思い出を語る人々のなかには「オレはこれで英語を学んだ」といった声も。動画検索時においては、好みの動画がヒットするように様々な英単語を習得し、さらに海外産ポルノの視聴でネイティブなリスニングを学んだという言い分なのだが、その反面で「Pornhub」の呼び方で揉める方々も多く存在し、その習熟度には疑問符が付くところである。

そして悲しみの矛先は、今回の事態の発端を作ったジャーナリストのニコラス・クリストフ氏に向かう形となり、「ニコラスを許さない」との声が多くあがる事態に。そのいっぽうで「人種・宗教・国籍・階級を超えて初めて世界の男性が1つになれる共通の敵が現れたのではないか」と、世界中で分断が進むなかで、今回の件でスケベ心での結束が目指せるのではという見解もあり、多くの支持を集めているようだった。

日本国内においては、漫画や書籍などの海賊版対策を強化する改正著作権法が2021年1月1日から施行される予定で、利用者も違法と知った上でダウンロードする行為が規制され、悪質な場合は刑事罰が科されるようになる。今回Pornhubが行った処置もあわせ、インターネット黎明期から脈々と続いてきたネット上におけるアダルト動画文化が、ここに来てひとつの曲がり角に差し掛かっていると、間違いなく言えるであろう。

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