第1段階:プーチンは短期間で「イスラム国」を掃討する
圧倒的残酷さで、「世界共通の脅威」になった「イスラム国」。米軍は「ダラダラ」空爆を1年もつづけ、何の結果も出ていない。「本気で勝つ気あるの?」と疑いたくなるのは、ロシア人だけではないでしょう。
プーチンは、世界共通の敵「イスラム国」を3~4か月で壊滅させ、世界の英雄になります(「なります」というのは、予測ではなく、「なりたいです」という意味です。今お話ししていることは、私が「プーチンの脳内で起こっている」ことを想像しているのです)。
第2段階:プーチンは、アサド政権を守る
ロシアはイスラム国と同時に、シリアの「反アサド派」を攻撃している。それで、シリア国内から「反アサド勢力」は一掃され、アサド政権が盤石になります(ならせたい。―プーチン)。
第3段階:プーチンは、シリア、イランとサウジアラビアを和解させる
「中東」というと、「みんなイスラム教徒」というイメージですが。シーア派とスンニ派が争っています。もっというとシーア派のイランと、スンニ派のサウジアラビアを中心とする争い。
プーチンは、イランとサウジアラビアを和解させます。
「不可能だ!」と思いますね。しかし、最近事情が変わってきているのです。というのは、今年7月、アメリカはイランと和解した。
<イラン核交渉>最終合意 ウラン濃縮制限、経済制裁を解除
毎日新聞 7月14日(火)22時1分配信
【ウィーン和田浩明、田中龍士、坂口裕彦】イラン核問題の包括的解決を目指し、ウィーンで交渉を続けてきた6カ国(米英仏露中独)とイランは14日、「包括的共同行動計画」で最終合意した。
イランのウラン濃縮能力を大幅に制限し、厳しい監視下に置くことで核武装への道を閉ざす一方、対イラン制裁を解除する。
2002年にイランの秘密核開発計画が発覚してから13年。粘り強い国際的な外交努力によって、核拡散の可能性を減じる歴史的な合意となった。
これに衝撃を受けたのがサウジとイスラエルです。「アメリカに見捨てられた!!!」と感じている。それで彼らは、ロシアに接近しはじめている。
なぜアメリカは、イランと和解したのでしょうか?「シェール革命」で、天然ガス生産でも原油生産でも世界一に浮上したアメリカ。「自国にたっぷり資源がある」ことを理解したアメリカにとって、「資源たっぷりの」中東の重要性が薄れたのです。それで、ロシアが中東で影響力を拡大できる条件が整っている。
「でも、ロシアは中東で影響力を拡大してどうしたいの?」
それは、少し後で。