私の秋は忙しくなる。「そうだ京都、行こう」歴代ロケ地で紅葉狩り

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「そうだ 京都、行こう」シリーズで紹介された寺院で紅葉狩りを楽しみたい、と思ったことはありませんか。好評だった第一弾に続き、今回も無料メルマガ『おもしろい京都案内』を発行する、京都通の英学(はなぶさ がく)さんが、2000年から2007年までの中から10ヶ所のロケ地を厳選してご紹介します。庭の木々は、もう色づき始めています。(記事内、タイトル後の年号はCM放映およびポスター発表年)

光明院(2000年盛秋)

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11月11日現在の紅葉:色づき始め 例年の見頃:11月中旬から12月上旬

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光明院は、室町時代初期に創建された東福寺の境外塔頭(境内の外にある東福寺に属する子院)です。「虹の苔寺」という美しい別名を持つ落ち着きのある禅寺です。苔は美しく青々としていて、普段はとても静かでひっそりとしたお寺ですが、新緑や紅葉の季節には鮮やかな彩りを与えます。光明院は東福寺の本堂から三門を通り、勅使門を出てすぐのところにあります。観光寺院ではないため、庭園を静かに楽しみたい人向けの紅葉狩りの穴場的スポットです。入り口には人がいないので、志納500円以上を入れて拝観するのがマナーとなっています。

光明院 紅葉 2015年の見所は?東福寺周辺で穴場の紅葉狩りはココ!

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醍醐寺(2001年盛秋)

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11月13日現在の紅葉:見頃 例年の見頃:11月中旬から12月上旬

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京都市山科区の古刹で春の桜、秋の紅葉共に京都屈指の名所です。笠取山(醍醐山)の全て醍醐寺の敷地で上醍醐、下醍醐に分けられています。
下醍醐から少し上った弁天堂周辺の山の中の鮮やかな紅葉の彩りはとても印象的です。世界文化遺産に登録されていて、豊臣秀吉が桜の木を700本植えさせ花見の会を開いたとされる「醍醐の花見」でも有名です。下醍醐には国宝の金堂をはじめ、京都府最古の木造建築物とされる五重塔などは見逃せません。三宝院は寝殿造と書院造からなる桃山建築で表書院前の庭園は豊臣秀吉が自ら設計したものと伝わります。戦国大名が作庭する庭はとても珍しく、秀吉らいい豪華でダイナミックな景観が特徴的です。庭の中心に配された源頼朝を始め数々の武将の手に渡り秀吉の元に収まったと伝わる天下の「藤戸石」は一見の価値があります。

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真如堂(2002年盛秋)

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11月14日現在の紅葉:一部見頃 例年の見頃:11月中旬から第3週目

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真如堂は左京区の吉田山に向かう坂道の途中の高台にある天台宗寺院で正式名称は真正極楽寺(しんしょうごくらくじ)といいます。紅葉時期には、静かで落ち着きのある境内は鮮やかな紅色に彩られます。本尊の阿弥陀如来は「うなずきの阿弥陀」とも呼ばれ、地元の人から親しまれてきました。天台宗の僧・円仁(えんにん)が「修行者を守護して下され」と祈ると首を横に振り拒んだといいます。しかし、「衆生、特に女性をお救い下され」と祈るとうなずいたという伝説があります。このことから古来女性の信仰を得て「女人の寺」として親しまれてきました。浄土宗の重要な行事である「お十夜」(おじゅうや)は、ここ真如堂が発祥で、毎年11月5日~15日に行われています。これは願いが叶えられた感謝を伝えるため10日10夜念仏を唱えた故事によるものだと伝わります。15日午後2時からは結願法要が行われ、参拝者には十夜粥が授与されます。お粥のことを「おじや」と言うのはこの「おじゅうや」がなまったものだと言われています。

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清水寺(2004年盛秋)

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11月13日現在の紅葉:色づき始め 例年の見頃:11月中旬から12月上旬

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「清水の舞台」と「音羽の滝」で有名な音羽山清水寺は、平安時代初期に建てられました。初代征夷大将軍坂上田村麻呂(さかのうえのたむらまろ)が蝦夷の首長アテルイ・モレなどを弔うために創建されました。清水寺は京都府の観光地不動のナンバーワンで世界文化遺産にも登録されている名所です。本尊の十一面千手千眼観音像は33年に一度ご開帳される秘仏で、通常はお前立像を拝観できます。(前回の御開帳は2000年)
音羽山の山裾一帯に張り付くように建てられた本堂・清水の舞台は懸造り(かけづくり)という建築様式で造られています。耐用年数はナント約800年。現在の建物は江戸時代初期約400年前の再建で、今から400年後に再建する時に備えて近年京都の北部でケヤキの植樹が始まりました。長い伝統を守るためには遠い将来を見据えた計画が必要とされるようです。

清水寺 紅葉 2015年見頃は?ライトアップはいつ?見所はココでチェック!

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銀閣寺(2005年初秋)

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例年の見頃:11月中旬から第3週目

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銀閣寺は京都市左京区にある日本で最も有名な観光寺院で世界文化遺産にも登録されています。室町幕府8代将軍足利義政によって創建され、正式名称は東山慈照寺(とうざんじしょうじ)といい、相国寺(しょうこくじ)の塔頭(たっちゅう)の一つです。(相国寺に属する子院の一つです。ちなみに金閣寺も相国寺の塔頭です。)見どころはもちろん国宝の銀閣(観音殿)で、一層目の心空殿(しんくうでん)は書院風、二層目の潮音閣(ちょうおんかく)は花頭窓(かとうまど)をしつらえた唐様仏殿の様式を持ちます。国宝の観音殿(銀閣)は、創建当時の風雅な姿をそのまま残し、東求堂(とうぐどう)の同仁斎(どうじんざい)は現存最古の書院造の部屋として有名です。銀沙灘(ぎんしゃだん )と呼ばれる白砂や、台形の向月台(こうげつだい)が配された庭園は、月を愛でるための装置のようなもの で、月光を建物内部に取り入れるためにキラキラと光る地元の白川砂が使われています。銀沙灘の砂面は僅かに建物に向けて傾斜させられていて、部屋に光が取り入れられるような仕掛けになっているようです。

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善峰寺(2005年盛秋)

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11月13日現在の紅葉:見頃 例年の見頃:11月中旬から第3週目

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善峯寺(よしみねでら)京都市西京区の西山に位置し山の中腹に広大な境内を持つ古刹です。境内である山全体が真っ赤に染まる景観は圧巻です。高台にあり眺望もいいので、京都市内の大パノラマと紅葉が重なり合う景色は一見の価値アリです。江戸時代には徳川5代将軍綱吉(つなよし)の生母・桂昌院(けいしょういん)によって現存する多くの建物が復興されました。桜、あじさい、紅葉など季節によって色とりどり色彩を放ち一年中多くの観光客で賑わっています。多宝塔前にある、樹齢600年以上の五葉松は「遊龍の松」と呼ばれ、国の天然記念物として指定されています。スケールが大きく見どころも多いのでゆっくり時間をかけてハイキング気分で拝観したい紅葉スポットです。

善峯寺 紅葉 2015年見ごろは?大パノラマと紅葉のコントラストは絶景!

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詩仙堂(2006年初秋)

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11月14日現在の紅葉:見頃 例年の見頃:11月中旬から下旬

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詩仙堂は、一乗寺にある曹洞宗の寺院で、元は江戸時代初期の武士で文化人でもあった石川丈山が隠棲した山荘でした。敷地には、小さな作りのお堂ときれいに手入れされた回遊式庭園があります。中国の詩仙36人の肖像を御用絵師・狩野探幽に描かせ、丈山が詩を書いて掲げた「詩仙の間」があるので「詩仙堂」と呼ばれています。丈山が考えたとされる「鹿おどし」が響く庭園は、紅葉に趣を加え、京都らしい雰囲気を味わうことが出来る紅葉スポットです。

詩仙堂 「ししおどし」発祥の地? 2015年 紅葉の見頃は?

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曼殊院(2006年盛秋)

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11月14日現在の紅葉:色づき始め 例年の見頃:11月中旬から第3週目

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曼殊院は、平安時代に創建された天台宗の名刹で、室町時代からは、皇室が住職を務める門跡寺院として高い寺格を誇りました。塀に横に入っている5筋の白い線はそのことを伺わせます。桂離宮を思わせる雅なたたずまいから「小さな桂離宮」とも呼ばれています。桂離宮を造営した智仁(としひと)親王の子・良尚法親王(りょうしょうほっしんのう)が曼殊院を現在地に移し造営をしたからです。見どころは多く、書院の曼殊院棚、御用絵師・狩野探幽の襖絵、庭園の樹齢400年の美しい松やキリシタン燈籠も見ることが出来ます。茶室「八窓軒(はっそうけん)」は「京都の三席」の一つです。

※京都三席:南禅寺金地院の八窓席、大徳寺孤篷庵(こほうあん)の忘筌席(ぼうせんせき)、曼殊院の八窓軒

曼殊院 紅葉 2015年見頃は? 一乗寺の穴場の紅葉狩りはココ!

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常寂光寺(2007年盛秋)

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11月15日現在の紅葉:一部見頃 例年の見頃:11月中旬から12月上旬

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常寂光寺は、1596年、本国寺16世日禎によって創建された日蓮宗の寺院で嵯峨・嵐山エリア屈指の紅葉名所です。本堂は伏見城の建物を仁王門は本国寺客殿の南門を移転したものと伝わります。小倉百人一首を撰んだ藤原定家(ていか)が住んでいた山荘・時雨亭(しぐれてい)はこの付近に建てられていたと伝えられています。(諸説あり近くの二尊院と厭離庵にも時雨亭跡があります。)塀などの囲いがない境内は小倉山に広がっていて、紅葉の時期はモミジが全体を真っ赤に埋め尽くします。特に多宝塔あたりの紅葉は絶景です。京都屈指の紅葉の名所でもあり、境内や多宝塔は高台にあるため、京都市内を一望することが出来ます。

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大覚寺(2007年盛秋)

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11月15日現在の紅葉:一部見頃 例年の見頃:11月中旬から12月上旬

平安時代に嵯峨野の地に創建された大覚寺は、平安王朝の雅な雰囲気を今に伝える真言宗大覚寺派の本山です。元は嵯峨天皇の離宮を寺に改めた皇室ゆかりの門跡寺院でもあり高い格式を誇っています。宸殿は江戸時代初期の後水尾天皇が寄進した御所の建物で、京狩野の祖・狩野山楽筆の豪華な障壁画など見どころ満載です。境内東の大沢池は嵯峨離宮の名残りで、嵯峨天皇が中国の洞庭湖(どうていこ)に思いを馳せて造ったとされています。現存する日本最古で最大の人造湖です。この池にかつては船を浮かべ、月を観ながら宴が繰り広げられたと伝わります。今でも毎年中秋の名月のころ、「観月の夕べ」が催され、多くの参拝客を魅了しています。

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いかがでしたか? 今回ご紹介した「…京都、行こう」ロケ地巡りは英さんの無料メルマガでも引き続き掲載される予定です。紅葉のシーズンは、いま始まったばかり。思い立ったが吉日の京都へ、あなたのイメージ通りの旅にお出かけになってみてください。

ポスター画像出典: 「そうだ 京都、行こう。」ポスターギャラリー|そうだ 京都、行こう。〜京都への旅行、観光スポットで京都遊び〜

image by:Shutterstock.com

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