【書評】度重なる不幸も乗り越えた。「弱者」スズキの脆弱性と底力

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「スイフト」や「ハスラー」などが大ヒットを飛ばしているスズキ。しかし、その裏で会長・鈴木修氏には数多くの不幸が訪れていました。今回の『毎日3分読書革命!土井英司のビジネスブックマラソン』では、鈴木修会長に綿密な取材を繰り返した有名アナリスト中西孝樹氏が執筆した一冊を紹介しています。

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オサムイズム “小さな巨人”スズキの経営』中西孝樹・著 日本経済新聞出版社

 

こんにちは、土井英司です。

「光と重力はタダ」

「コスト、クオリティ、プロダクティビティ。ザッツオール」

「トップダウン・イズ・コストダウン、ボトムアップ・イズ・コストアップ」

数多くの名言を生み、自動車業界のカリスマとなったスズキの鈴木修会長。

その経営哲学は、ベストセラー『俺は、中小企業のおやじ』で、みなさま存分に味わったことと思います。

※参考:『俺は、中小企業のおやじ

本日ご紹介する一冊は、このスズキの未来を、『トヨタ対VW』などの名著で知られる、自動車業界屈指のアナリスト、中西孝樹さんが述べた一冊。

※参考:『トヨタ対VW

GMの破綻、VWとの仲違いトヨタダイハツによる猛攻撃、期待していた後継者の突然の死…。スズキを襲った度重なる不幸と、その都度、鈴木修会長がどう乗り越えたか、綿密な取材を元に書き下ろしており、読み物としても興味深い内容です。

スイフト」や「ハスラー」の大ヒットの裏側、インドでの快進撃の理由にも触れており、じつに勉強になりました。

著者は、カリスマに依存したトップダウンのリーダーシップに懸念を示しており、これをスズキの脆弱性として指摘しています。

読者が投資家であっても経営者であっても、いろいろと気づきがある内容だと思います。

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