最近マイナスイメージで何かと取りざたされる中国ビジネス。日本国内では日本人寄りの意見ばかりが報じられているようですが、『中国大連ビジネスリポート』高瀬正博さんは、民族や文化が違うと決めつけたり諦めるのではなく、しっかりと向き合うことが中国でビジネスを成功させる秘訣だと語っています。では具体的にどうすればいいのでしょうか?
目には目を、まではいかなくとも…
先日降った雪が屋上にまだ残ったままの多くのビルを眺めていると、「見栄えは真っ白でもその下のところは真っ黒かも…」なんて、何となく頭に浮かんできました。
今日の大連は、気温−7℃~1℃。
ここ大連は、風が吹くと寒さ激増と昔から言われている。
昨日も今日も風があるので本当に寒い。
表に出ようものなら顔中が凍ってしまいそうだ。
こういう季節になると時は静かに流れていくようだ。
外からの音が一段と少ないのもそうだろうが、何となく活気すら失っているせいかも知れない。
この時期になると多くの企業では追い込みに入るため、残業や休日出勤で賄っている。
例年同じことが繰り返されることで、社員の意識向上とともに労働争議に発展する。
15年前の中国人労働者は、日本企業のトップダウン指示に素直に従わざるを得なかったが、この4、5年前から徐々に変化し始めた。
労働者としての権利を声大きく主張し、それをバックアップする工会(労働者組合)とともに、会社に質問状を送りつけ面会を求めてくるケースが増えてきた。
この問題の基となる主たるものは、やはり、日本人の優柔不断な態度、姿勢だろう。
現地法人の多くは権限限定の幹部しか存在しないため、即断即決ができないのも要因になっている。
特にワンマン社長が本社にいれば言わずもがなである。
それも一因として、現地における責任からいかに逃避するかを考えている幹部が多いことか。
2、3年や4、5年で人事交代の日本人幹部に、現地の中国人が何を思っているのか、考えているのかなど、決してわかるはずがない。
単に現地へ赴任させ、権限を与えず責任だけを取らせようとする企業は、発展するどころか衰退の路を転げ落ちる方が早いような気がする。
そのような日本人関係者からいろいろなことで相談を受ける。
話を聞いているうちに可哀そうになってくる。
でもそんな弱腰では中国においての指揮は取れない。
自らが積極的に中国人の懐へ入り込んでいかなければいけない。
「中国語がわからないから」は、理由の一つにもならない。
わからないからもっと良い関係を生み出せる場合もある。
何でも良いから自分から声をかけていくことだ。
中国人との付き合いの中で横柄な態度は良くないのは当たり前にしても、何も控えめ、引っ込み思案的な態度を取る必要はない。
どんな状況の中でも、堂々と正しいと考えた意見を述べることだ。たとえそれが本社の意向に反れていたとしてでもある。
日本人を理解し、日本の文化や習慣などを知りえた優秀な中国人社員であっても、すべてを日本の考えにすり替えることは至難の業である。