世界に否定される「地球温暖化」。COPで何が話されているのか?

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近年、真っ向から否定する声も出てきた「地球温暖化問題」。それについて話し合うために開催される「COP」という会議が各国首脳を集めて行われていることをご存知でしょうか? メルマガ『グローバル時代、こんな見方も…』の著者・スティーブ・オーさんは、疑問視されてもなお変わらずにCOPを開催する裏には「ある思惑」が隠されていると指摘しています。

躍動するファイアボール

温暖化」に疑問を投げかける一般市民の声が徐々に高まっていると感じる。以前の米国でもそうだったし、ここ豪州でもそう。欧州でも友人らが同様のことを言っている。

二酸化炭素に温室効果があってもなくても、それによる気候変動の範囲は、地球内部の熱の影響に比べれば極わずかに留まるというもの。

地上にいると大陸や島々は「不動」のものと考えてしまうが、地球の誕生から現在まで考えれば、静止した部分などどこにもなく、今もすべてがダイナミックに動いていることを思い出させてくれる。

現在の地球は、燃えさかる粘土をこねて丸め、水をかけて表面を冷やした状態にある。冷えた表面が大陸なら、内部が吹き出て固まったものが島々、降り注いで溜まった水が海を成している。

衝突の摩擦によって生じ、内部に閉じ込められた火の塊は、あまりに高温なために内部で対流が起こり、それが表面、すなわち大陸やプレートをも引きずり動かしている。

海が乗っかっている器(プレート)が動くのだから、海流は変化し、海流の変化が大きくなれば大規模な気候変動が起こる。地球内部の熱の影響は、今も深い理解が得られていない部分が大きい。

調理中の炊飯器が蒸気を発しながら過熱しているのに、炊飯器の表面を誰がどう冷やすかと話し合ってもあまり意味がない。「温暖化説」は政治経済的には面白いが、現段階では、空気より遥かに熱い内部の動きの影響を無視した「表面的」な話と言えそうである。

150ヵ国以上もの首脳が集まって何を話すのか

毎回、COP気候変動について話し合うことになっている。しかし、実際にG20+の首脳が重要視しているのは、個別または小グループで話し合う安全保障世界の金融システムについてである。

各国中銀に影響力を持つ勢力に支持されて登場した首脳や、軍産勢力の支持によって誕生した政権、また公平公正な社会の実現を求めて誕生した政権など、その時々で首脳らのまとまり方は違う。

国に帰れば身内の政党や支持団体の前で話すことのできない本音を、首脳らが直接話し合える機会がCOPなのである。

当然それには、状況に応じた通訳を介さない英語力と、他国首脳と対等に話し合うに足る世界観、そして何よりも政治家としての理念、信念が問われることになるが、今の日本はG7の中で突出感が拭い切れない。

エネルギー族軍産族中銀族の全てに属す現政権は、言わば「保守の王道」を行っている。エネルギー業界の寡占主義も、新規参入が極めて困難な軍産業の飛躍も、通貨発行権を利用した資金調達も、みなこの路線上にある利権の維持拡大を政策の中心に据えている。

彼らにとり、ステイタスクオ現状維持)以上に重要なものはなく、「変更」こそが最大の敵である。今の日本にとってCOPは、「変化」を模索する世界の首脳らを前に、拠り所のない集会となってしまっている。

また、何らかの形で権限付きの課税世界標準ルールを獲得したい国連にとって、COPは最も重要な会議の一つでもある。

世界共通のシステムを持つことは、世界平和に資すると捉えることもできるが、この点については、今後の運営を見た上で評価する必要があるだろうか。

一つ言えることは、一昨日正式に発表された人民元のSDR入りなど、国連並びにIMFは組織改革を進め、オープンかつ協調世界に向けた取り組みが見られることも事実である。これまでG7が牛耳ってきた世界秩序に、かつての共産国※、中国が入る意味は非常に大きい。

※日本では今も中国を「共産主義国」と位置付けているが(恐らく意図的に)、世界における中国は「資本主義へと転換した国」との扱い。

image by: Shutterstock

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グローバル時代、こんな見方も...

グローバル時代、必要なのは広く正しい世界観。そんな視点に立って私なりに見た今の日本の問題点を、日本らしさの復活を願い、滞在先の豪州より発していきたいと思います。
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