「休日の朝寝」はNG?体内時計を正しくリセットする習慣とは

2015.12.09
by Mocosuku
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日ごろ忙しい人ほど、お休みの日はゆっくり朝寝坊をしたいもの。さすがに、休日も会社に行く日と同じ時間に起きる、という人は少ないと思いますが、「仕事日と休日で睡眠時間の差が大きいと、心血管疾患や糖尿病などのリスクが高まる可能性がある」という興味深い研究報告が、米国の学術誌『Journal of Clinical Endocrinology & Metabolism』(オンライン版)に発表されました。

この研究では、447人の健康な中年層を7日間にわたって調査したとのことですが、その結果、平日と休日の睡眠スケジュールの差の増大と、血液中の脂肪の増加やインスリン抵抗性の悪化、善玉コレステロールの減少といった症状の間に関連が認められたそうです。たしかに、これらは糖尿病をはじめとする生活習慣病の発症リスクを高める要因になるものですね。

「寝だめ」で生活リズムが狂う?

また、こういった疾病リスク以外でも、休日に睡眠時間を長く取りすぎると、体内時計や睡眠のリズムが乱れ、かえってストレスや体調不良の原因になってしまう可能性もあります。普段、睡眠が足りていない人は、休みの日ぐらい思いっきり眠りをむさぼりたいところですが、休日に長く寝る場合でも「普段の睡眠時間+2時間」までにとどめておくのが健康のためにはよいとのこと。

人間の体内時計は約25時間周期となっていますが、1日は24時間。この誤差を修正するために、体内時計は毎朝リセットされています。そのため、ある程度決まった時間に眠くなり、決まった時間に起きることができるのです。

しかし、睡眠時間に極端に差があったり、昼夜逆転したりする生活をつづけていると、この体内時計のリセットがうまくいかなくなり、不眠を招いたり、日中に眠気・疲れが残ったりしてしまうのです。

朝日を浴びることでリセット

体内時計をリセットする方法として簡単なのは、なんといっても朝日を浴びること。それも朝10時までの太陽の光を浴びるのが効果的といわれています。

また、朝日を浴びることで心の安定をつかさどる「幸せホルモン」セロトニンの分泌が促され、爽快な気分で1日をスタートすることができます。さらに、セロトニンは睡眠を促すホルモンであるメラトニンの原料にもなるため、朝日を浴びることは、スムーズな入眠にもつながっていくのです。

また、どうしても「寝足りない」ときの二度寝はOKですが、こちらは5~10分以内ぐらいにとどめておくのがベター。これは、二度寝をしすぎてしまうと、起きたときに逆に疲れが出てしまう可能性があるためです。仕事日の睡眠不足を補い、疲労を回復するための昼寝についても、午後の早い時間に30分以内を目安にとるのが、「眠り疲れ」を残さないためにはよいでしょう。

現代に生きる日本のビジネスマンの多くは睡眠不足といわれていますが、二度寝・昼寝と朝日の力を活用して、できるだけ「睡眠ストレス」の少ない規則正しい生活を心がけたいものですね。

<参考>
Journal of Clinical Endocrinology & Metabolism

厚生労働省 眠りのメカニズム

厚生労働省 体内時計

厚生労働省 メラトニン

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記事提供:Mocosuku

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