女性社員のメールを覗き見した上司。なぜ見られた側が敗訴したのか?

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他人のメールが気になって見てしまう…、彼氏彼女の間でもよく問題になっていますが、会社内でそんなことをしたら後で大きなトラブルに発展しかねません。では、社内での部下のメールを上司がチェックするとどうなるのでしょうか? 現役の社会保険労務士がお届けするメルマガ『「黒い会社を白くする!」ゼッピン労務管理』では、会社におけるメールチェックの違法性について、過去の判例などを挙げて詳しく解説しています。

他人のメールチェックが違反じゃない?

さて、さっそくですが問題です。

人のメールを勝手に見ることは問題である」か、×か?

その「人」が誰であるかにもよると思いますが、たとえそれが彼氏や彼女、家族などの親しい相手でも(親しい相手だからこそ?)おそらく問題になるでしょう。

自分から人に見せるのであれば話は別ですが、自分のメールを勝手に見られて気分の良い人はいないはずです。

まして、これが全くの他人が勝手に見たとなれば「プライバシーの侵害で訴えてやる!」となってもおかしくはありません。

では、もしこれが「社員のメールを勝手に見ることは問題である」であったらどうでしょうか?

みなさんの中には「たとえ社員であっても勝手に見るのはまずいのでは…」と考える人もいるかも知れません。

それについて、ある裁判があります。

ある会社で、事業部長男性)が、部下(女性)の会社の電子メール私的なものも含むを勝手に見ていたとして、その部下の女性から訴えられました

その会社では、アドレスが社内に公開され、パスワードは各社員の氏名をそのまま使用していたため、その事業部長は簡単にみることができたそうです。

では、この裁判の結果はどうなったか?

部下の女性が負けました

ここで「えー?なぜ??」となった人もいるかもしれませんが、なぜかをお話する前にもう1つの別の裁判についてもお話します。

あるメディア会社で、部下のメールをみていた上司が「プライバシーの侵害である」と訴えられました。

結論からお話をすると、この裁判でもメールをみられた部下が裁判に負けています 

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