いじめ自殺事件の起こった学校の様子などをテレビで見ると、全校集会を開き、校長が壇上で涙を流し、生徒全員が黙とうをささげています。見る側もそれで解決したような気持ちになってしまいますが、無料メルマガ『いじめから子供を守ろう!ネットワーク』では、なかなか表にならないいじめ自殺事件のその後と、加害者生徒の人権について問題提起しています。
加害児童への指導は?
名古屋市で中学1年の男子生徒が「いじめを受けた」と遺書に書いて自殺してから1カ月となるのを受け、遺族が公表したコメントが記事になっていました。
その中でとても気になる言葉がありました。それは、「誰一人『いじめ』をしましたと言ってくれる人はいません」という言葉です。
この1カ月の間、学校・教育委員会などの対応に関する記事がいくつもありました。しかし、その中で、加害生徒に対する指導については、なにも触れていませんでした。この学校でも、1カ月たったその日に全校集会を行い、約一分間の黙とうをささげた後、校長が両親から寄せられたメッセージを代読し、その死を悼みました。しかし、いまだ謝罪に現れる加害生徒はいないのです。
学校に対して、加害生徒に対する指導をお願いすると、「加害生徒にも人権がありますから」と言って、指導に前向きではないことがあります。指導しない言い訳に「人権」という言葉を使っているのです。
この世の中で、罪を犯した人に対して、人権があるからと言って、何もせずに許してはいません。犯した罪は償わなければならないはずです。学校が教育現場であるならば、「人権は大事です。しかし、罪を犯してしまったなら、自分の行為を反省し、罪は償わなければならないのです」と教えるべきです。これが、本来の姿ではないでしょうか。