2015年も、さまざまなIT製品・サービスが登場しました。ITジャーナリストの一条真人さんが、メルマガ『旬刊!ブログで言えない家電の話【神原サリーとゆかいな仲間たち】』にて、今年見たり触ったりした製品・サービスの中から「これは!」と思ったものに部門別アワードを発表しています。
今回は年の終わりということもあり、今年、見たり触ったりした製品、サービスのなかで年間アワードをセレクトしてみたいと思う。
オンデマンドビデオ部門 「dtv」
今年、日本のオンデマンドは黒船とも言われた「Netflix」の襲撃を受けたが、個人的に言えばテレビなどのメディアが騒ぐほどにNetflixが優れている印象はない。
Netflixはオリジナルコンテンツが1つの売りなわけだが、このコンテンツのセンスが日本市場にあっていない印象も受ける。日本の多くの市民は、正直、テラスハウスなどは別に見たくないのではないか? 日本向けコンテンツはもっとマーケティングが必要だろう。テレビで受けているのは有吉とマツコなので、Netflixでは攻略するのが難しいだろう。そういえば、僕がはじめてサリーさんを見たのも「マツコの知らない世界」だった。
それでは今年、僕が選ぶ日本で最強なオンデマンドビデオは何か?というと「dtv」だ。このdtvはもともとdビデオという名称でドコモのスマホでだけ見られるサービスだったが、今やドコモユーザー以外でも視聴できるし、パソコンでも視聴できる。なにより料金が月額500円と安いし、コンテンツもある程度の水準をクリアしている。スターウォーズの新作公開前に今までの6作品を見放題で見られるようにするなど、気が利いている。
ホームターミナル編 「AppleTV」
多くのオンデマンドビデオサービスが登場し、ユーザーは自分の見たいコンテンツを探すことが重要になってきた。そんなとき、検索機能が重要になってくるのだが、Siriによる自然言語入力(つまりは普通にしゃべる)で目的のコンテンツを検索することができるようにしたのが新しいAppleTV。
このようなコンテンツの検索にはそのコンテンツのデータ、いわゆるメタデータが必要になる。世界的に言うと、このメタデータを制圧しているのが「Rovi」という会社だ。北米でのRoviのサービスでは、コンテンツを割と抽象的な自由なキーワード、たとえば「ジェームスボンドをやってた俳優」とか、「無人島に遭難しちゃった話」とか極めて適当なことからもコンテンツを検索してくれて(音声検索も可能)、そこからそれを見られるTVなりオンデマンドサービスを選択して再生するということができる。
つまり、新AppleTV的なことはすでに実現されているのだが、日本の普通の人がはじめて目にしたのは新AppleTVということになるのだろう。この種の適当な音声検索はやはり便利。遠くない未来は多くの端末がこれを搭載することになるだろう。
AppleTVはさらにタッチ操作でのゲームプレイを実現するなど、トータルで新しいホームエンターテイメントを実現しようとしてるのが面白い。
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