官邸ドローン侵入問題、仮想戦記作家ならこう対策する

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首都上空の警備体制の手薄さが露見する形となった、首相官邸屋上でドローンが発見された騒ぎ。この記事にも詳しいですが、今回のような事件を防ぐ手立てはあるのでしょうか。人気の架空戦記作家で軍事情報に精通する大石英司さんは自身のメルマガで、”鷹匠導入”を含めた対処法を記しています。

ここは鷹匠の出番!

参照記事:首相官邸屋上にドローン セシウム由来の放射線検出DJIの新型ドローン「ファントム3」は13万円台 三井住友が保険

保険付きで大々的にドローンを売りますとニュースになった翌日に、それがこんな悪事に使われるなんて。

官邸の屋上ということは、事実上、「命中」したわけです。GPSナビの可能性もあるし、映像を飛ばして確認しながらの可能性もある。恐らくは夜の決行だろうから、何処かから機体を目視して操縦ということはあり得ないでしょう。

9.11のテロを除けば、こんな平和な国で、最新のNBCテロが起きてきたという歴史は皮肉ですが。

問題は犯人像で、従来型の過激派なら、ニュースになる前に犯行声明なり出すだろうことを考えると、その、恐らくは汚染土を使っただろうテロは、反原発で新しく生まれた過激派グループの可能性もあるでしょう。もちろん、個人でも出来るだろうけれど。

ま、しかし撃墜するとなると難儀なことですわな。ここはレーザーなんてチンケなことは言わずに、CIWSで行こうよ! みんな見たいだろう?(^_^;)、帝都の心臓部で、バルカン・ファランクスがブィ~ン! と唸りを上げてターゲットを破壊するシーンが!あの官邸の坂道を20ミリ砲弾の空薬莢が束になって転がるシーンを思うと胸熱だぜ!

あるいは、シーRAMでも良いよ。シーRAMの乱れ打ち! オーバースペックだ?破片が?細けぇことは良いんだよ! 帝都をドローンの脅威から守るという強い意志を示すことが大事なんだから。

schafar/Shutterstock

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てか、いっそ鷹匠でヨクネ? うっかり撃墜したら、地上にダーティ・ボムをばらまきかねないわけだし。ここは伝統に則り、鷹匠を首相官邸に配備して、終日見張りさせれば良いじゃん。いざ飛んで来たら、上空から舞い降りてガシッと鷲づかみにして降ろせば良いんだし。

海外の要人を官邸に招く時は、良い観光にもなるじゃん。鷹匠、これ一択(^_^;)。問題は夜よね。梟とか訓練できるんだろうか。

さて真面目な話。センサーは音響センサーとイメージ・センサーを組み合わせれば、すぐ開発できる。欧米は現物作っているし。撃墜も、ミサイルじゃないから、低出力のレーザーで間に合う。射程なんて500メートルも要らない。300メートルもあれば十分でしょう。開発は半年もあれば十分(まじめな話、技本とかもっと早くに開発に取り組むべきだった)。それまでは、財務大臣にショットガン持たせて官邸屋上に配備しましょうかw。

残る問題は、二つ。一つは、今回の事件に限って言えば、いったいこれ、何の罪に問えるの?家宅侵入?仮にボトルの中身が、汚染土だとしたら、問えるのはせいぜい、ゴミの不法投棄でしょう。ただの土くれを上空からばらまこうとしただけの話。せいぜい書類送検止まりでしょう。

もう一つは、いざ迎撃態勢を整備するとなったら、それは何処が担当するのか?国内治安だから、明らかに警視庁の領分でしょう。でも警察は、警察比例の原則もあるし、そんなオーバーキルな兵器は扱い馴れないから、防空という意味合いからも、運用は自衛隊に任せた方が無難ということになる。

すると、自衛隊は、恒常的に治安出動命令を受けて、武力行使するということになるんだろうか?この辺りのことを詰めると、新しい法律を書かないことには、少なくとも自衛隊は対処できないでしょう。ウルトラCとしては、領空侵犯対処であると言えなくもないw。ただ、領空内に出現するアンノウンに対して、スクランブルして警告射撃とか都心の上空でできるとは思えません罠(^_^;)。お世辞にも現実的とは言えない。

これはいろんな意味で、対処して撃墜するためにも、逮捕して罰するためにも、新しい法律が2、3本必要になるでしょう。成立には何年も掛かることになる。

『日刊 大石英司の代替空港』2015.4.23号より一部抜粋

【2015.4.23号の目次】
・首相官邸屋上にドローン セシウム由来の放射線検出
・DJIの新型ドローン「ファントム3」は13万円台 三井住友が保険
・【官邸屋上に「ドローン」】枝野氏「自衛隊海外派遣にうつつぬかす前に対策を」
・戦後70年談話 首相は「侵略」を避けたいのか
・安倍首相の演説、韓国が遺憾表明 「おわび」なしを批判
・首相演説「深い反省」表明…「おわび」に触れず
・2014年度の賃金は前年割れだった!
・アベノミクスで買い物をやめた「30代」
・怒る女性誌:政権批判、読者に押され 改憲…本当に必要?
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著者/大石英司
作家、鹿児島県出身、川崎市高津区在住。国内外の注目ニュースに関して alternative な視点を提供するメルマガはビジネスマンなら必読です。
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