鍋料理のアク取りって、やらないほうがいいものもあるらしい

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いろんな野菜をまとめてとりたいときに便利なのが、スープや鍋料理。でも、茹でているうちに出てくる灰汁(アク)をとるのが面倒なんですよねぇ。これって、丁寧に取らないとダメなのかな? という長年の疑問に、野菜博士の宮田恵先生がメルマガのQ&Aで答えてくれていました!

Question

shitumonアクについて質問です。 野菜のアクは健康に悪いのでしょうか?
野菜も生き物で防衛反応がアクであり体に良くないと見ましました。

私は、ジャガイモ、サツマイモ、人参、タマネギをよく茹で、茹で汁を捨ててから食べています。 アクは取らず、茹で汁は捨てていますが、アクは野菜に少しついていると思います(アクを捨てるために茹で汁を捨てている訳ではありません)。それとも茹で汁も捨てているので気にするほどではないでしょうか?

ちなみにアクによって美味しさが半減する等は気にしていません。

また、上記の私がよく茹でてる上記野菜はアクが多いですか?

健康の為に野菜を食べてるのに、アクを摂取する事により健康に悪いなら控えようかと思っています。

宮田恵さんの回答

いつもご購読いただきましてありがとうございます。

野菜や山菜から出る褐色や黒色の成分の事を灰汁(アク)として説明させて頂きます。 お肉など加熱しても出てくる灰色の成分は今回説明から除きます。

アクは植物の成分。 渋みや苦味を持ち、また色調からお料理の際は見栄えの点から小まめに取り除く事が推奨されます。

ただし栄養的にはすべてが悪者ではありません。 植物のフィトケミカルがこのアクです。 マクロビオティックでは捨てない事とされています。 豆を煮る時もサポニンを捨てないよう決してアクを取らない徹底ぶりだそう。 アルカロイドやフラボノイド(ポリフェノール)などがその本体です。 伝統野菜などで感じる渋みはタンニン酸です。

ジャガイモ、サツマイモ、人参、タマネギをよく食べていらっしゃるようですが、これらのアクは気になさらなくても良いようです。 むしろ玉ねぎのケルセチンは水溶性ですから、汁ごと召し上がるべきでしょう。

ただ山菜などのように、アクを抜いてから食べる習慣のあるものは大量摂取すると毒性を示すものがありますワラビなどですね。 経験的にアク抜きをすべき食材には理由があるのです。

アルカロイドなどは少し毒性があっても、少量摂取で解毒効果を発揮するものもあるようです。

よって普段の食事ではアクには神経質にならず、ただ味や見栄えを重視するときは除去すると良いでしょう。

旬の時期以外のホウレンソウはシュウ酸や硝酸が比較的多いので、サラダホウレンソウ以外はきちんと茹でて召し上がってください。

切って割面が茶色に変色するのは、ナス、バナナ、りんごなどのポリフェノール。 ですから変色しても気にしない。 また、ごぼうの黒い汁はポリフェノールですから、あく抜きしすぎるのはもったいないですね。

最近の野菜はアクが目立たないように品種改良されています。 その結果、栄養価が低下、野菜そのものが力を失い、農薬なしに成長できない、という問題も生じています。

 

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岩手県出身、岩手医科大学卒業、放射線科専門医、社会を幸せにする医師としての実績を日々模索し続けている。医師、野菜ソムリエ両者の視点から綴られるメルマガは読めばすぐに役立つ内容で人気を集めている。まぐまぐ大賞2014ライフ部門入賞。

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【著者】 宮田恵 【月額】 初月無料!月額330円(税込) 【発行周期】 毎月 第2土曜日(年末年始を除く) 発行予定

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