妊娠中の喫煙で赤ちゃんの体重が減るってホント?

2016.01.19
by Mocosuku
2016011229154-800x450.jpg
 

1月6日、妊娠中にタバコを吸い続けた母親から生まれた赤ちゃんは、タバコを吸わない女性の子どもと比較して、出生時の体重が平均100グラム以上少ないということが、環境省が公表した調査結果により判明しました。この調査は、2011年末までに生まれた全国の9369人の赤ちゃんを対象に実施され、妊娠中の母親の病気などの影響を極力取り除いた「喫煙による直接的な影響」について調べたものです。このように、妊婦の喫煙が赤ちゃんの出生体重に影響をおよぼすことが大規模な全国調査によって確認されたのは、国内ではこれが初めてとなるそうです。

妊娠中の喫煙によるさまざまなリスク

厚生労働省が過去におこなった調査でも、喫煙している妊婦から生まれた赤ちゃんは、喫煙していない妊婦から生まれた赤ちゃんに比べて低出生体重児となるリスクが約2倍高くなっていることが判明しています。また、同省の資料では、妊娠中の喫煙が、早期破水や早産、胎盤異常のリスクを高めることや、子宮外妊娠や自然流産と関係がある可能性についても指摘されており、赤ちゃんが突然亡くなってしまう「乳幼児突然死症候群」の原因のひとつとしても妊娠中の喫煙があげられています。

このように、妊婦さんや生まれてくる赤ちゃんにとって「百害あって一利なし」ともいえる妊娠中の喫煙ですが、こうしたさまざまな健康への影響の原因としては、タバコに含まれるニコチンの血管を収縮させる作用や、喫煙の際に発生する一酸化炭素の働きによって血液中の酸素が不足することなどがあげられます。これらの物質の働きにより、子宮や胎盤の血流が悪くなることで、妊娠中のさまざまなトラブルのリスクが高まったり、胎児への酸素や栄養の供給が不足して、赤ちゃんの成長を阻害する事態を引き起こしてしまうのです。

妊活中から禁煙を

また、喫煙が女性に与える影響として見逃せないものに「妊娠する能力の低下」があげられます。これは、喫煙が卵巣機能や女性ホルモンの分泌に悪影響を与えることが原因といわれていますが、こうしたことを考えると、妊娠しやすいカラダづくりのためにも、タバコは「妊活」をスタートするときからやめておいたほうが良さそうですね。

さらに、近年では、喫煙が精子に悪影響を与えるという報告もあり、喫煙者の周囲の人(特に子どもや妊婦)がタバコの煙を吸いこんでしまう「受動喫煙」による健康被害も問題となっています。そのため、妊活・妊娠中の期間は、「パートナーも一緒に禁煙」するという形が、妊婦さんが禁煙をスムーズにおこなうためにも望ましいといえるでしょう。
 
<参考>
妊娠中の喫煙で子の体重減=100グラム以上少なく―環境省調査 時事通信

喫煙の妊娠出産などへの影響 厚生労働省 e-ヘルスネット

喫煙の健康影響について 厚生労働省

print
いま読まれてます

記事提供:Mocosuku

  • 妊娠中の喫煙で赤ちゃんの体重が減るってホント?
    この記事が気に入ったら
    いいね!しよう
    MAG2 NEWSの最新情報をお届け