イスラム国の標的が遂に聖地サウジアラビアに向かってきた

2015.04.30
by kousei_saho
150430saudi
 

4月20日、国内施設がテロの標的になる情報を得たとして、治安部隊に警戒態勢を取らせたサウジアラビア。事実首都リャドでは4月8日、「イスラム国」と接触があったとされるサウジ国籍の男による警官襲撃テロも起こっています。このような事態を言い当てていたメルマガが『【無料版】英文メディアによる国際情勢と先読み経済』。3月末には「サウジアラビアも危なくなってきている」と注意を喚起していました。

「イスラム国」指導者バグダディの呼びかけとサウジアラビア

4月20日、サウジアラビアからのテロに関する報道です。

[リヤド 20日 ロイター]-サウジアラビア内務省報道官は20日、商業施設やエネルギー関連施設が武装集団の襲撃を受ける可能性があるとして、治安部隊に警戒態勢を取らせたことを明らかにした。

同報道官は、「商業施設あるいはサウジアラムコの施設を標的にした攻撃の可能性を示す情報を得た。これを治安部隊に伝え、警戒態勢をとらせた」と述べた。詳しい情報は得ていない、としたうえで「サウジアラビアは、テロリズムの標的になっている。(紛争が起こっているような)状況では、これに乗じてテロリスト集団が攻撃を仕掛けるのが普通だ」と述べた。

サウジは3月下旬から隣国イエメンの過激組織掃討で空爆を開始した。サウジ警察は今月、首都リヤドで起こった2件の襲撃事件の容疑者として、サウジ国籍の人物を拘束したと発表している。

以下の記事は有料メルマガ3月26日号の一部です。

ジェームズタウン財団は3月6日付けで、『国王を倒すために:イスラム国はサウジアラビアに照準を合わせる』と題した記事を掲載しました。

その記事の中では、2014年11月13日に「イスラム国」の指導者アブ・バクル・アル・バグダディが、組織のメディアから「Even if the Disbelievers Despise Such」という題名の音声メッセージのなかで、サウジアラビアを含む戦線の拡大を激賞したというのです。

そしてこの「イスラム国」の活動の拡大の対象には、イエメン、エジプト、リビア、アルジェリアが含まれていましたが、サウジアラビアにあるイスラム教の二大聖地メッカとメディナを指す「al-Haramein」の語が含まれていたのです。そしてそのバグダディの音声メッセージでは「al-Haramein」の語が強調され、サウジアラビアの追随者たちに従うよう呼びかけていたそうです。

この記事の執筆者のクリス・ザムべリス氏は、「『イスラム国』の台頭は、アブドラ国王の死とサルマン新国王の継承を契機として、高まる国内と中東地域の両方の不安定さの真っ只中で起こる」と述べています。

>>次ページ メルマガ筆者が「サウジも危険」と警告を出した理由とは?

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