危機の原因は、中国ではない?
今回の危機、誰もが「中国が原因だ!」といっています。しかし、ジムさんは、「違う!」と断言しています。では、どの国が原因なのでしょうか?
中国のせい? 私はそうは思っていない。
中国だって混乱で苦しんでいる国の1つだ。
今回の騒動の諸悪の根源はすべてワシントンにある。
ええ!? 「諸悪の根源はすべてワシントンにある!」とは、どういうことなのでしょうか?
米国はここ数年、大量の紙幣を刷り、金利を歴史的にこれまでなかった水準にまで引き下げた。
(中略)
そして今、米国は資金を引き揚げようとしている。金利を上げることによってね。
これまでやってきたことのツケが今、大きな混乱となって世界を襲っているのだ。中国だって被害者なのだよ。
つまり、FRBの長年にわたるゼロ金利と、今回の利上げが、混乱の原因であると。アメリカの利上げで、資金は新興国から引き上げられますから、一理あります。
金融政策は、もう限界
では、今の局面で世界各国の中央銀行は、何ができるのでしょうか?
大量に紙幣を刷り、金利を引き下げ、資産を買い入れ、マイナス金利も導入した。
世界の中央銀行は今、パニックになってあらゆる策を講じている。
でも効かない。
なんと! ジムさんによると、もはや中央銀行にできることはないそうです。
リーマンショック時よりひどい時代に???
そして、決定的な言葉がつづきます。
日本はもう景気後退期に差しさしかかっている。
すでに調整は始まっているのだ。
2008年のリーマンショックの時より深刻な状況になるかもしれない。
債務は当時より膨らんでいるのだから。
え~~。「リーマンショックの時より深刻な状況になるかもしれない」? 勘弁してほしいですね。
というわけで、世界3大投資家ジム・ロジャーズさん。世界経済と日本経済の見通しは「真っ暗」だそうです(RPEの読者さんで現状に驚いている人は、1人もいないと思いますが)。
皆さん、是非日経ビジネス「ジム・ロジャーズさんインタビュー全文」もご一読ください。
印象として「ずいぶん中国にやさしいな」と思われることでしょう。
ジムさんは、娘の「ハッピー」さんに「楽楽」という中国名をつけるほどの中国好きなのです。中国好きなのは、「中国は世界の未来」と信じているからです。
私も含むほとんど日本人には、「そんなバカな」と思えますが、世界3大投資家の言葉は、聞くに値します。
ちなみに、こちら、マンガですが、面白いです。解説がよくまとまっています。
「マンガ ジム・ロジャーズ ―冒険投資家に学ぶ世界経済の見方」
森生文乃・著 講談社
ジムさん、中国、インド、ロシアなどの未来をどうとらえているのでしょうか? 面白く役に立ち、しかも安いので是非ご一読ください。
『ロシア政治経済ジャーナル』
著者/北野幸伯
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