「石油はあと30年でなくなる」を最近聞かないワケ

2016.03.01
by NozomiK
 

この計算はかなり簡単で石油や鉄鉱石は生物の活動の中で生まれてきているので、これまで誕生した生物の数から計算するのですが、現在の人間が消費する資源量からいえば、石油も鉄鉱石も短くても1万年以上あります。ここでは詳細な計算は示しませんが、単なる資源計算で行うと石油はこれから600万年から2000万年ほどあるということになります。

どうしてこんなにあるかというと、人間の活動というのは自然の量と比べると比較にならないほど小さいからです。

地上に生存していた生物は6億年ほど前からほとんど同じ数です。人間ぐらいの大きさに換算すると、300億人ぐらいだったと考えられます。そして一般の生物に比べて人間は50倍ぐらいの資源を消費するといわれていますから、300億人÷50=6億匹ぐらいと考えられます。この6億匹のうち、1万分の1ぐらいが地下に潜ったりして石油や鉄鉱石を作り出したので、人間の資源消費に換算して36兆匹分が地下に存在します。

現在の人間が60億人ですから、どんどん使ってなくなるのは6000年以上先ということがわかります。

この計算はあまりにおおざっぱですが、いずれにしても「すぐなくなる」という話ではないことがわかります。

image by: Shutterstock

 

武田邦彦メールマガジン「テレビが伝えない真実」』より一部抜粋

東京大学卒業後、旭化成に入社。同社にてウラン濃縮研究所長を勤め、芝浦工業大学工学部教授を経て現職に就任。現在、テレビ出演等で活躍。メルマガで、原発や環境問題を中心にテレビでは言えない“真実”を発信中。
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