どっちが勝っても日本は絶望。米大統領選「トランプ対ヒラリー」の悲劇

 

一方、トランプ陣営に勤める友人によれば、もし、米国大統領選でかつてのレーガンとビル・クリントンの一騎打ちがあったなら、レーガンが勝つでしょうから、そこがアメリカらしいところで、トランプの機会だと考えています。つまりトランプが強硬であればあるほど人気が上がることになります。

ただし、その「トランプ・アクション」はあくまで選挙向けで、彼は本当はそれほど強硬なタカ派でないというのが、近しい人たちの意見です。トランプはあくまでメディアに長けた者として「強いアメリカを演じているにすぎません。

現在、ヒラリーは、トランプ反対派+ビル・クリントン+クリントン家の資金力+現役大統領側近+政権政党だから検討していますが、トランプはトップテレビプロデューサーで、視聴率でもアメリカのネットワーク相手に勝ち抜いて来た猛者です。メディア戦になったら他に勝ち目がありません。これが「21世紀の民主主義の実態なのです。

このままの勢いで、もしトランプが大統領になれば、「強いアメリカ」として日本にかなり一方的に強弁な姿勢に出るのは間違いありません。また、2016年米国大統領選でヒラリーが勝てば、(資金的に大きく協力した)中国と米国の関係が強くなることが、容易に理解できます。

ですので現状を冷静に鑑み、日本は劣勢のヒラリーのファンドレイジングに形だけでも大きく協力すべきなのでしょうが、一切なにもしないのは、本当に不思議です。それだけ、日本の支配層は共和党の旧勢力に握られている」と見て、間違いありません。

国内政治の論点は、経済問題や憲法改正にあるようですが、それよりもっと大きなフレームを一切報道しないことで、再び日本は間違った舵を大きく切ろうとしています。日本の大きな問題は、誤った外交政策にあるのは間違いありませんが、それすらわからないほど、自浄作用が欠如しているのです。

現在の米国大統領選を見ても、日本の失われる時間は、まだまだ続くとみられます。

image by: Christopher Halloran / Shutterstock.comJoseph Sohm / Shutterstock.com

 

高城未来研究所「Future Report」』より一部抜粋

著者/高城剛(作家/クリエイティブ・ディレクター)
1964年生まれ。現在、コミュニケーション戦略と次世代テクノロジーを専門に、創造産業全般にわたって活躍。毎週2通に渡るメルマガは、注目ガジェットや海外移住のヒント、マクロビの始め方や読者の質問に懇切丁寧に答えるQ&Aコーナーなど「今知りたいこと」を網羅する。
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