またも教師の「いじめ隠蔽」が発覚。改めて問われる指導者の資質

 

また、実際に、病院に虚偽の報告をしたのは副顧問です。犯罪における実行犯と言ってもいいでしょう。顧問に指示されての行動とはいっても、いじめの隠蔽をしたのは事実です。告白したとはいえ、副顧問について、なんらの処分も発表されないことも疑問に思います。

もう一点気になるのはいじめをした生徒2名に対する指導についてです。前述のように加害生徒は以前からいじめや暴力行為をおこなっていたことが判明しています。学校の加害者に対しての指導の痕跡が見当たりません

「いじめは犯罪」、「暴力は犯罪」です。「学校は警察ではない」、「学校は治外法権なんだ」という考え方はもう許されないのです。「教師は被害者を守る」ことが第一に優先される時代です。「加害者を指導する」ことから逃げてはならないのです。

いじめ防止対策推進法いじめ防止法)が施行されて2年5か月たちました。法律はできましたが、「隠蔽体質」が改善されていない学校や教師があちこちにいます。いじめ隠蔽などを防ぐためにも、「いじめ防止対策推進法」に、教師がいじめを隠蔽、放置、黙認、加担等した場合や警察等への通報を怠った場合等における、「懲戒規定」を制定することが必要です。懲戒処分を明文化することで、いじめを隠蔽する教師の暴走を抑止することができると言えます。

「何が正しくて、何が間違っているのか」という善悪の判断基準、正義の心を教えることは教師の仕事です。子供たちの範たる先生が増えていくことが「いじめ撲滅の鍵」と言えるのではないでしょうか。数多くの志ある先生方のご協力もいただいております。私たちは、教師と保護者、大人たちが力を合わせて、いじめのない学校をつくるために運動を展開しております。ぜひ、ご遠慮なくご相談下さい。

いじめから子供を守ろう ネットワーク 井澤・松井

image by: Shutterstock

 

いじめから子供を守ろう!ネットワーク
「いじめ」と学校の「いじめ隠ぺい」から、子供たちを救うための、父母によるネットワークです。いじめの実態やいじめ発見法、いじめ撃退法、学校との交渉法、いじめ相談などを掲載します。
<<登録はこちら>>

print
いま読まれてます

  • またも教師の「いじめ隠蔽」が発覚。改めて問われる指導者の資質
    この記事が気に入ったら
    いいね!しよう
    MAG2 NEWSの最新情報をお届け