石田衣良が大胆提案。「夜の生活なし」でもうまくいく夫婦のカタチ

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他のメルマガと比べ、読者から寄せられる質問内容の生々しさが妙に際立っている印象がある『石田衣良ブックトーク「小説家と過ごす日曜日」』。今回ご紹介するのは、「旦那とはセックスレスで……」と話す42歳女性からのご相談。さて、直木賞作家・石田衣良さんの回答やいかに……。

夫と夜の生活なし。出会い系を利用しようか悩む自分

Question

shitumon-1442歳女性。旦那とセックスレスです。産後、求められる回数が減りました。理由を聞くと「あなたを母にしか見られない。自分も仕事が疲れている」ということでした。

しかし、その後、ラブホテルのものと思われるレシートが見つかり、旦那に聞いたら「庭に落ちていた」と嘘を言われました。一瞬悲しかったですが、性欲が無くなったわけではないんだなと安心したほうが強かったです。私も正社員で働いているので、休みをとって、昼間出張ホストにお世話になり、「これでおあいこだ」と満足しました。旦那が相手ではなくても性欲は満たされ満足でした。

子どもをもう1人欲しいので、旦那に予定がない日は体調や機嫌をみて、数日に1度声をかけます。子作りのセックスと意気込むのも嫌なので、ムードも作って。しかし「疲れている、また明日ね」と言うばかりで、10回中1回できればいいほうです。性欲は満たされないし、むなしくなります。もし2人目を授かったら、私はこの人とはもうセックスできないだろうと思います。でも、出張ホストは度々度利用するには高すぎます。セフレを作ったり出会い系を利用したりしてもいいのかと悩む自分がいます。

石田衣良さんの回答

これは、他人に了承を求めていますけれど、あなた自身が自分の人生で決断することだと思いますね。今の状況を考えてみると、やっぱりこの旦那は厳しいよね。10回に1回しか乗ってくれない。それでも心を折らずに頑張れるのって、AVの路上スカウトの男くらいですよ。家の中で雰囲気を作ったり、相手が疲れていないかどうか様子を伺ったりしているのに、10回誘って1回しか応えないなら、それは旦那が悪いじゃん。これは普通、心が折れますよ

ぼくが今の話聞いていて思ったのは、2人目の子どもが欲しいからそこで頑張るのはいいとして、外で性欲を満たすのはいいんじゃないですか? 誰も責めませんよ。でも秘密は死ぬ気で守る。せめて、ラブホの部屋のレシートは持ち帰らない細心さを持ってほしいですね。ぼくは彼氏やセフレでも作ればいいじゃないかって思います。

だいたい、ホテルのレシートが庭に落ちていたとしても、それを拾って、ポケットに入れるアホがどこにいますか。ちょっとこの彼はひどいと思います。なので、ぼくはあなたが自分の責任でもって、なるべくリスクを下げたうえで、よそに男を作るのはまあしょうがない、悪くはないよなと思うんだけどな。世の中の、一般解としてはね。

出張ホストの話がありましたけど、男性も女性も、自分の性欲をちゃんと表現する人はするようになりましたね。確かにあまり金銭を絡めるのも大変だから。この場合は、熱烈な恋をするということではなく、家庭を壊さない程度に、上手く付き合える相手を見つけてくれればいいんじゃないかという気がしますね。

とくにあなたの場合は、恋愛と性の部分は切り離せるっていう、女性としてはなかなかの達人なので。子どもがいて共働きなら、お金をかけない方法のほうがいいと思うので、ネットや趣味のサークルを通じてうまくやってくださいっていう感じかな。

男の言う「疲れている」とか「しんどい」って言い訳なんですよね。この旦那だって、不倫相手とホテルに行く時は「疲れている」なんて絶対言いませんよ。忙しい仕事の合間を縫ってホテルに行っているんですから。何か納得がいかない感じがしますけどね。ぼくは、女の人も性欲をちゃんと表現してもいいと思います。

image by: Shutterstock

 

9f4a7f8b51a8fbe8d940e05da9f6452c『石田衣良ブックトーク「小説家と過ごす日曜日」』
著者:石田衣良
本と創作の話、時代や社会の問題、恋や性の謎、プライベートの親密な相談……。ぼくがおもしろいと感じるすべてを投げこめるネットの個人誌です。小説ありエッセイありトークありおまけに動画も配信。週末のリラックスタイムをひとりの小説家と過ごしてみませんか?メールお待ちしています。
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