ケント・ギルバートのメルマガが引用・転載・拡散禁止なワケ

 

日本的「性善説」は外国人相手に通じない

国外では、ISILなど中東情勢も問題ですが、日本に住んでいる以上、やはり中華人民共和国(PRC)という、時代錯誤な帝国主義ファシズム国家が、アジアの治安を脅かしている現実が一番気になります。国としてわずか65年の歴史しか無いのに、チベットやウイグル、内モンゴルを武力侵攻し、朝鮮戦争にも参加。核開発技術を教えてもらったソ連とは仲違いし、インドやベトナムとも戦争をしたトラブルメーカーです。さらに、日本のODAと民間投資のお陰で経済発展したのに、少しお金が出来たら、恩を仇で返す不心得者です。

PRCは明らかに尖閣諸島だけでなく、沖縄全体を支配下に置くことも狙っています。理由はすでに述べました。もし沖縄から米軍基地が撤退したら、フィリピンの二の舞になることは確実です。このような重要な話を、これまた日本のマスコミはちっとも報道しない。芸能スキャンダルや韓流ドラマのために、貴重な電波を何時間も使っている場合じゃないんです。

長年日本に住まわれていますが、ケントさんが思われる日本のいいところ・悪いところを教えてください。

他国と比べて圧倒的にいいところは、治安だと思います。アメリカでは高級住宅街でも、夜10時過ぎに女性が1人で出歩くのは危険です。その状況で何か事件が起きたら、被害女性にも非があったと責められます。治安の良い日本では被害女性が責められることはなく「運が悪かった」という話になるでしょう。

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日本の悪いところは、良い所の裏返しなのですが、「普通」の基準が高すぎて、世界の常識からズレているところです。例えば、嘘を吐かない、約束を守る、時間を守る、信号を守る、人には親切にする、落し物は交番に届ける、ゴミは持ち帰るなど、もちろん全員が守ってはいませんが、平均的な日本人にとって「普通」と感じる行動が、外国人から見たら「異常」に道徳的だったりします。

日本の国外には「貧乏人は金持ちから盗んでも良い」「騙す方が騙される方より頭がいい」「簡単に1ドルくれたからもう1ドル要求する」「夜道を1人で歩く女は強姦を望んでいる」「仕事で賄賂を要求するのは当たり前」「試験勉強よりもカンニングが効率的」などと考える人もいるのです。このような価値観を持つ人が国の指導者になっているかも知れない。「性善説」は日本人同士なら通用するかも知れませんが、全ての外国人を相手に同じことをやったら、痛い目を見るのが「普通」です。

上の質問とかぶってしまうかもしれませんが、日本の一番好きなところ、嫌いなところを教えてください。

逆に、上の質問とは正反対の答えになりそうですが、日本国内に住む外国人にとって、日本人の「普通」の基準が「異常」なほど高いことは最高です。食べ物は何を食べても美味しいし、レストランなどの店員さんは愛想が良くてサービスがきめ細やかだし、車も日本車ばかり乗っています。

嫌いなところは、驚くほど無神経なことを言う人が時々いることですね。例えば私は在日米国人ですから、単に「在日」と言えば私も含まれます。ところが私のフェイスブック記事へのコメントで「日本国内の犯罪の9割は在日の犯行」とか、「日本人はそんな酷い事を出来ないから犯人は在日」「芸能界の○○さんは在日です」などと、全く根拠の無いウワサや人種差別発言を平気で書く人が頻繁に出てくる。

日本人の誇りが他の民族を蔑視することに繋がるとしたら最悪です。ゲルマン民族至上主義がナチスドイツのユダヤ人大虐殺を生んだのと同じだからです。第一次世界大戦後の1919年、パリ講和会議の国際連盟委員会で、世界で初めて「人種差別の撤廃を明記すべき」と提案した日本の誇るべき歴史をよく考えるべきです。「デブ」とか「ハゲ」とか「ブス」とか、そういう汚い言葉を無神経に使う人も多いです。優しくて親切な日本人という、平均的イメージとのギャップが激し過ぎます。

>>次ページ ケントさんから見た、日本人に欠けている大切なものとは?

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