強気が一変、安倍政権が「辺野古和解」に急転したウラ事情

 

根本的な解決はもちろん「県外・国外」

安倍はもちろん今回も、「辺野古への移設が唯一の選択肢であるという国の考え方に何ら変わりはない」と強調していて、そうである限りは県とはどこまで行っても折り合いがつかない。そこを解きほぐして行くには、

  1.  「中国が今にも尖閣を盗り、島伝いに沖縄を攻め、日本に侵略してくる」かのごとき妄想的な「中国脅威論」の横行をどう潰すか
  2. その中国や北朝鮮の「脅威」を煽り立てて日本を操って、米国製の最新鋭兵器を買わせようとする米軍産複合体勢力やその末端の手先であるリチャード・アーミテージら「ジャパン・ハンドラー」と呼ばれる安保利権集団の策謀をいかに封じるか
  3. その米冷戦派の言動を巧く活用して、南西諸島に大進出を遂げようとしている日本自衛隊の「南進戦略」の下劣な意図をどう暴露するか。自衛隊は、辺野古建設を推進して完成後は出来れば日米共同管理の基地にしておけば、いずれ米海兵隊は海外に出て行くから、その時にはこの超高性能基地を自分のものにしたいと思っている
  4. 米国内に根強くある海兵隊無用論ないし前進配備不要論を掻き立てて、海兵隊を早期に海外もしくは米本土に移転させる国際世論をいかに喚起するか、

──などの戦略論レベルの議論を通じて「常識の嘘」を引き剥がしていくことが必要だが、残念ながら日本の現状ではそれを担える政治勢力はないに等しい。それが沖縄の闘いを孤立させてしまっている最大の理由である。

沖縄の闘いは今後も困難を極めるが、ともかくも、ここで初めて国はひるんだ。この束の間のゆとりを活かして、どう反撃に出るかが問われている。

image by: 首相官邸

 

高野孟のTHE JOURNAL』より一部抜粋
著者/高野孟(ジャーナリスト)
早稲田大学文学部卒。通信社、広告会社勤務の後、1975年からフリー・ジャーナリストに。現在は半農半ジャーナリストとしてとして活動中。メルマガを読めば日本の置かれている立場が一目瞭然、今なすべきことが見えてくる。
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