なでしこの一言で全国区に。「黒糖ドーナツ棒」のストーリーに学べ

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人気コンサルの永江一石さんが、さまざまな質問に答えてくれる人気メルマガ『永江一石の「何でも質問&何でも回答」メルマガ』。今回の質問は、とある地方の歴史ある食品メーカーの自社サイト運営についてです。地元では知名度が高く、愛されている商品だけど、サイトからの販売が全く振るわない…こんな事例に対して永江さんの提示した解決策とは?

商品メーカーのサイト運営について

Question
shitumon (1)

今回は「食品メーカー」のサイト運営について質問がございます。この食品メーカーは歴史もあり、地元ではかなり知名度の高い商品を持っています。

「◯◯◯知ってる?」と聞けば、県内では一度は耳にしたことがある食べたことがあると思われるくらいです。そのため故郷を離れた方々もわざわざネット通販で取り寄せたり、地元に帰った時に買いだめするほどです。もちろんお歳暮等にもよく送られます。

ただこれだけの知名度がありながら、サイトへのアクセスは全くありません。月間1000pv以下、300UU以下です。

サイトのアクセス数が少ないのは、1つは商品名で検索した時に楽天が先に出てくるということ。もう一つは、購入者の年齢層が高いことが原因ではないかと思っております。

現状はサイトにアクセスがなくても商品が売れるのでいいのですが、せっかくなのでサイトを起点として売上増を実現できればと思っております。しかしどのように運営していったらいいのかがわかりません。他社サイトを見て、自社商品を使ったレシピ集を掲載したりしてみてます。

食品メーカーはどのようにサイトを運営したら良いのか、アドバイスをいただければと思います。

永江一石さんの回答

まずそのメーカーがユーザー向けか小売店さん向けかで話が変わってきます。

大体のメーカーと言われるところは消費者に直販していないので、視線がユーザーに向いていないんです。もっとユーザー向けにアピールしたいのであれば、何回かブログにも書いていますユーザーにとって印象的なストーリーを届けないといけません。

ストーリーと言っても、単に苦労して作ってますってだけじゃダメです。それじゃどこも同じだから。どこも苦労はしてますよ。

よく食品メーカーの自社サイトとかで製品名と原材料あげて、写真と値段だけ載せてっていうの見ますけど、あれもダメ。「地元では高い知名度があるけどアクセスがない」ということは、この商品がどういうストーリーで生まれたかっていうことがきちんと消費者に届いてないんじゃないかと思います。

その前に商品名で検索できるのはその商品を知ってる人だけだから、新規のお客さんが全然取り込めていません

ストーリーってどんなものかというと、「黒糖ドーナツ棒」というお菓子の話が有名です。「黒糖ドーナツ棒」の製造元であるフジバンビは、女子サッカーなでしこリーグ・INAC神戸のスポンサー企業です。当時なでしこにはスポンサーのなり手がなく、困っていたところを長く支えたのがフジバンビでした。

そんな思いに何とか応えたいと、2011年7月になでしこジャパンがW杯で優勝した後、試合後のヒーローインタビューで川澄奈穂美選手が「黒糖ドーナツ棒ってご存知ですか?」と発言。その直後に楽天で売り切れ続出し、一躍全国区になりました。

このように、聞いた人の心に残るのがストーリーです。ストーリーがあればソーシャルで拡散して広がっていく。ソーシャルで広がればテレビも取材してくれます。

まだ世に知られていない商品を知ってもらうためには、まずは興味を刺激するようなネタ作りからです。ちょっとサイトをいじったぐらいじゃアクセスは大して変わらないと思いますよ。本当のストーリーを創ってください。

image by: Shutterstock

 

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著者:永江 一石
商品開発や集客プロモーションを手がける会社を設立し多くの企業のマーケテイングを行う。メルマガでは読者から寄せられたマーケティングのお悩みに対し具体的な解決策を提示。ネットショップや広報担当を中心に多くの購読者から支持されている。
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