中国軍部を抑えきれない習近平に米国激怒。オバマが次に放つ一手とは

 

今後の方向は

ということで、習近平は、軍部の意向を止めることができずに、米中首脳会談で「航行の自由を口実とした利益侵害は認めない」と、米中の懸案事項を述べている。米国は次の手を繰り出してくることになる。

経済的な面での不利益を中国に行うように感じる。高級ホテルの買収を中国企業が優位に進めていたが、それを米国政府は妨害している。太子党の子弟たちは国営企業にいるが、経済的には米国との関係が強いので、その不利益は太子党としても無視できないことになる。

中国経済は、不良資産、不良債権などが、ドンドン積み上がっている。この状況と政治的な不安定を見て、富裕層はカナダなどに移民を開始して、中国での有名人も米国に移民している。この富裕層たちが大量の資金を中国から持ち出している。資金流出は、この富裕層の失望から起こっているのである。

政治的なもろさが経済的なリスクになりつつある。サプライサイド経済学を推進すると政府は言うが、広範な産業構造転換を断行すれば、最終的に失業と社会不安をもたらすことになるのは避けられず、政権は確信を持って産業の改革を行う必要があるが、政治的な不安定で出来るかどうかわからない状態になった。

しかし、世界経済は中国の成長に依存している。中国の政治的な失敗は、株式市場の乱高下や通貨危機よりも破滅的な影響をもたらし得る

特に、日本の近傍に中国があり、経済的相互関係も強いので、中国の経済的な失敗は、大きな悪影響を日本にもたらしてしまう

もう1つが、中国の失敗が、地域の緊張を増す可能性もある。軍部が政府より上位になり、愛国心を高めるために、中国の力を見せるという行動に出る可能性も高い。

この軍部の行動を習近平は抑えられない。周辺諸国は、中国の経済的な失敗が軍事的な攻勢に置き換わる可能性と、米国の引きこもりが起きて、米国も助けてくれない事態を想定する必要が出ている。今後の政治家は、泣きたくなる状態を想定して政治を行うしかない。

さあ、どうなりますか?

 

 

国際戦略コラム有料版』より一部抜粋

著者/津田慶治
国際的、国内的な動向をリアリスト(現実主義)の観点から、予測したり、評論したりする。読者の疑問点にもお答えする。日本文化を掘り下げて解析して、今後企業が海外に出て行くときの助けになることができればと思う。
<<無料サンプルはこちら>>

print
いま読まれてます

  • この記事が気に入ったら
    いいね!しよう
    MAG2 NEWSの最新情報をお届け