中国軍部を抑えきれない習近平に米国激怒。オバマが次に放つ一手とは

 

対外的に強硬姿勢をとる軍部と、融和姿勢の政府。中国ではこの両者を統制するために、習近平氏への権力の集中が必要とのことですが、その独裁体制の確立が危ぶまれる状況にある、と語るのはメルマガ『国際戦略コラム有料版』の著者・津田慶治さん。津田さんは、その原因となる行動を起こしたある人物の「実名」を挙げるとともに、中国の政治的なもろさにより引き起こされる経済的なリスクが全世界に及ぼす影響、そして統制がとれなくなった軍部に周辺国はどう対応すべきかについて論じています。

中国の混乱はだれが起こしたか?

中国の習近平独裁体制確立危ぶまれる状況になっている。しかし、この状況を作ったのは誰なのかを考察する必要がある。

中国の動向

20年くらい新聞・雑誌を毎日読み、記事を保存・検索できる状態にしている。何か変わった事態が起こったら、関係する過去の記事を入念に読んで、なぜそうなったのかを考察するようにしている。

前回中国のコラムで、中国の政治体制は、軍部と政府が相互に干渉できないために、統一的な外交ができない。軍部は対外的には強硬な立場であり、政府は経済的な相互関係があるので、対外的には融和である。このため、両者の主張や行動は、外から見ると中国がバラバラで信用できないと見えてしまう。このため、両者を統制する必要がある。

しかし、両者を統制できるのは、党中央の総書記だけである。党中央政治局も軍事部門の行為をチェックできないようになっている。このため、中国が危機に直面すると、党総書記に権力を集めて、両者を統制しないといけないことになる。

このため、総書記に政治権力を集めるために、個人崇拝をするような方向に向かってしまうのであるが、権力を集めるために政治的には難しくなる。今まで、前総書記・胡錦涛時代には危機ではなかったので、党の民主化をして共産党員の比較的自由な発言を許容していたからだ。

中国が発展すると、その民主化を徐々に広げる方向であろうと、世界、特に米国のリーダーたちは見ていた。しかし、中国の現在進んでいる方向は、期待とは違い毛沢東の文革に近い、個人崇拝と党員でも自由な議論を取り締まる方向に舵を切ったように見える。

このため、中国国内の不満も高まり、諸外国も中国への期待を裏切られた為に不満、不安が高まっている。国内と国外の両方で不満があるということは、そこに工作の余地ができることになる。

それを米国は、2015年から始めていた。オバマ大統領は、国防総省の南シナ海での海軍艦船の航海を許さずに、政治工作をしていたようである。

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