今の季節、多くの人を悩ませている花粉症。人によって症状も千差万別ですが、なんとか楽になりたいという人も多いはず。そこで、元『旅行読売』編集長の飯塚玲児さんが、自身のメルマガ『『温泉失格』著者がホンネを明かす~飯塚玲児の“一湯”両断!』で、花粉症に効果のある温泉について回答して下さっています。花粉症にお悩みの方は今週末でも行って見られてはいかがでしょうか?
Question
花粉症に効く温泉ってないでしょうか?
先日、「杉戸天然温泉 雅楽の湯」に行った友人と神奈川県厚木の「湯花楽」に行ってきました。
ここも本当に施設として良かったですね。
ミストのドーム型の温泉と桶風呂が特に気に入りました。
そのとき、僕もその友人も重度の花粉症なのですが、友人がひとこと「花粉症に効く温泉ってないのかなー」って言っていたので、メルマガ内で話題にできそうであれば、ご回答いただけたら幸いです^^
今後ともメルマガ楽しみにしております。 (東京都・おかもとさん)
旅行のプロ・飯塚さんの回答
いつもメールをありがとうございます。 本当に励みになります。
「湯花楽」は、僕はまだいったことがないのですが、多彩なお風呂があって、ゆっくり楽しめそうですね。 高濃度炭酸泉の横にテレビがあるというのは、なかなかいい趣向。 今は、甲子園の中継を見ながら入っている人もいそう。
食事メニューもかなり充実していますね。 特に野菜。 埼玉では北本にも系列の施設があるようですので、機会を見て訪ねてみたいと思います。
さて、ご質問の「花粉症に効く温泉」ですが、これが難しい。
一昨年に改訂された浴用の適応症にも、花粉症というのは載っていません。
しかもこの病、個人差がかなりあって、鼻に来る人、皮膚に来る人、目に来る人、呼吸器に来る人など、様々です。 これらのすべてに対処療法的に効果が期待できる温泉があれば、毎週通ってもいい、という人もいるかもしれません。
実際、杉花粉のない沖縄や奄美、北海道に短期間移住する人もいるようです。 医学的には「転地療法」の一つだと考えられているようです。という具合に個人差があるので、これがいい、とは明言できず、しかも僕は医学博士ではないので、その効果については本などで勉強したものです。
で、以下に、簡単な結論を示します。
* 髪の毛や体についた花粉を洗い流すために、毎日お風呂に入るといい。
* 目がかゆい、肌がかゆいというタイプの人は、熱いお湯に入るとかゆみの原因であるヒスタミンが生まれてしまうので、ぬる湯がおすすめ。
* 鼻づまりタイプの人には、入浴は効果がかなり期待できる。 鼻の粘膜の下に血が溜まって鼻づまりを起こすわけなので、入浴で血流がよくなれば一時的にしても鼻づまりが解消されることが期待できる。
* お風呂の湯気を鼻から吸うことは、鼻腔内の花粉を洗い流すことにつながり、血流もよくなるので症状の緩和が期待できる。
* 同様に湯気を口から吸うことは、呼吸器にもよい影響が期待できる
以上、温泉に限らず家庭のお風呂でも効果が期待できるものですが、温泉地へ出かけるという転地効果と、共同湯などでは湯気もうもう状態が少なくなく、吸入効果(鼻ネブライザーみたいな感じでしょうか)も高まるとも思います。
また、自律神経との関連説もあることから、入浴によって自律神経の働きを正常化するようにすれば(温泉入浴にはそうした効果が謳われている)、症状の軽減に役立つともいえるかもしれません。
泉質別には「これだ」というものが答えられずに申し訳ないのですが、ちなみに僕が通っている草津温泉には前述の通り「時間湯」という独特の民間療法があって、その時間湯の湯長さんから、今の時期は花粉症の患者さんがどっと増えます、ということを聞きました。
ただ草津に行ってお風呂に入ればいい、というものではないので、本当に重症で困っているという人は、問い合せをしてみるといいかもしれません。
ただし、1泊程度では終わらない本気の湯治になるとは思います。
共同湯の千代の湯では観光客も気軽に体験できる時間湯が行われています。
花粉症、本当に憂鬱ですよね。 ここの温泉に入ったらよくなった、などのご意見、ご報告をお待ちしています!
image by:Shutterstock
『『温泉失格』著者がホンネを明かす~飯塚玲児の“一湯”両断!』より一部抜粋
著者/飯塚玲児
温泉業界にはびこる「源泉かけ流し偏重主義」に疑問を投げかけた『温泉失格』の著者が、旅業界の裏話や温泉にまつわる問題点、本当に信用していい名湯名宿ガイド、プロならではの旅行術などを大公開!
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