歴史は復讐する。中国がしたたかに進める「沖縄支配」という脅威

kitano20150605
 

「日本を滅ぼすのは中国ではなくアメリカ」。昨今、こんな論調が見られるようになってきましたが、国際関係アナリストの北野幸伯さんは無料メルマガ『ロシア政治経済ジャーナル』で、「沖縄を狙う中国の方が差し迫った脅威だ」と主張しています。

日本を滅ぼすのはアメリカ? 中国?

先日、国際派日本人養成講座(JOG)から転載させていただいた「地球史探訪:海洋国家の衰亡への道~月尾嘉雄『日本が世界地図から消滅しないための戦略』を読む」に大変多くの読者さんから、共感と感謝のメールをいただきました。ありがとうございます! たくさんいただいた中に、1通興味深いメールがありました。

「古代の海洋国家カルタゴは、ローマに滅ぼされました。今、日本をカルタゴにたとえると、(日本を滅ぼす)ローマにあたるのは、中国ではなく、『アメリカ』なのではないですか?」

実をいうと、こういう見方は、「大流行している」といえるでしょう。

なぜそういう話になるのか?

日本は今、「自虐史観」から脱却しつつあります。そうなると、「なんで俺たち自虐史観もってたんだっけ?」と疑問を持つようになる。調べてみると、「アメリカGHQが洗脳したからだ!」という結論が、容易にでてきます。

さらに調べてみると、日本の政治は、「アメリカの傀儡」といえるような状態である。アメリカは終戦直後だけでなく、現在にいたるまで、私たちを支配している。

とまあ、ドンドン話がひろがり、深まり、「諸悪の根源はアメリカである!」となっていく。これに関連して、いくつか大ベストセラーも出ています。代表的なのは、『戦後史の正体(孫崎 享)』『日本はなぜ、「基地」と「原発」を止められないのか(矢部 宏治)』でしょう。是非、ご一読ください。

さらに視野がひろがると、「この世界はどういう支配構造になっているんだ?」と考えはじめます。すると、「アメリカという国は、世界通貨(=基軸通貨)の発行権を握っている」という事実に気がつく。しかも、世界通貨ドルを刷っているのは、「アメリカ国」ではなく、【民間銀行】(!)である、FRBが行っている。

これ、知っている人には常識ですが、知らない人は【トンデモ】だと思うでしょう? 是非、これを機に、興味をもって調べてみてください。参考までに、ウィキペディアから転載しておきます。短いですが、非常に重要な内容を含んでいますので、熟読してみてください。

連邦準備制度(れんぽうじゅんびせいど、英語: Federal Reserve System, FRS)は、アメリカ合衆国の中央銀行制度を司る私有企業体で、ワシントンD.C.にある連邦準備制度理事会(Federal Reserve Board, FRB)が全国の主要都市に散在する連邦準備銀行(Federal Reserve Bank, FRB)を統括する組織形態を特徴とする。

 

FRBは日本の日本銀行に相当し、紙幣の発行などを行う。

 

「連邦 (Federal)」という語があることから、連邦政府系の機関であると誤解されるが、FRBの株式は民間金融機関が所有しており、連邦議会による監査などは一切行われていない。」

アメリカの中央銀行にあたるFRBは「民間金融機関が所有しており、連邦議会による監査などは一切行われていない」。こういう事実にたいして、「ずるいぞ!」という反応が当然でる。それで欧州エリートは、「ユーロ」を作った。中国とロシアは、組んで「米ドル基軸通貨制」を崩壊させるべく、さまざま画策している。細かくなるので、詳述はしませんが、もっと詳しく知りたい方は、『世界一わかりやすいアメリカ没落の真実(北野幸伯著)』をご一読ください。

というわけで、「アメリカが諸悪の根源説」にも一理ある。そして、私たちは大人ですから、もちろん「アメリカの暗部」も、「世界の支配構造」も知っておくべきなのです。

>>次ページ では中国はアメリカよりマシ?

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