119の河川が流れ込み、出口はたった1つ。なぜ琵琶湖は溢れないのか

 

日本最大の湖、琵琶湖ですが、そのはじまりは400万年前にできた浅い凹みで、しかも現在の場所には移動してきたってご存知でしたか? 無料メルマガ『1日1粒!「幸せのタネ」』では、その不思議な琵琶湖の「生い立ち」と魅力を紹介しています。

不思議の宝庫 琵琶湖の魅力

先日、大津市科学館に行きました。お目当てはプラネタリウムでのオーロラに関する特別公演でしたが、そのあと、せっかく大津まで来たので…と思い、科学館の展示場も見学しました。入場料100円! 安い!

もちろん大掛かりな装置はないのですが、大津ならではの展示が見られます。

大津といえば琵琶湖です。琵琶湖の水生、生態系などの展示はやはり地元ならではといえるでしょう。

そこで初めて知ったのが、「琵琶湖は移動してきた」ということです。

結構有名な話なのかもしれませんが、約400万年前に、今の三重県伊賀市あたりに最初の浅い凹みに端を発し、少しずつ場所を移動しながら大きくなっていく映像を見ていると、それはそれは不思議なロマンを感じさせるものでした。

まず400万年前に今の伊賀付近に浅い凹みができ、そこが徐々に北側に大きく広がって、今の甲賀よりもずっと北まで広がります。これが300万年ほど前の話。

ところが、徐々に河川から流入する土砂がたまり浅くなっていき、沼地、湿地みたいな感じになり一度消滅します。

それが100万年ほど前になって、今の堅田付近に今の琵琶湖の前身ともいえる湖が出現します。大きさはずっと小さいものですが、今のような大きな湖になるのは約40万年前だそうです。

あの大きな湖にはそんな歴史があったのか…。

日本で一番大きく、貯水量も最大です。なんせ琵琶湖には119の河川から水が流れ込んでいます。Googleマップなどをみるとわかりますが、周りは山に囲まれているので、全部琵琶湖に流れ込んでくる、そんな感じです。

その一方で、出ていく川はたったひとつ。瀬田川です。滋賀県内では瀬田川、京都府内では宇治川。大阪では淀川、と呼ばれます。満々と水をたたえる琵琶湖から流れる川はたったひとつしかない。それだけでも驚きです。

近代に入って、琵琶湖疎水という、京都市内に人工的に水を引くことも始まりますが、それでもふたつしか「出口」がありません。それであふれないのか? と気になりますが、豊富な地下水としても、京都や大阪方面を地下から潤しているといわれています。

淀川だけではなく、地下水でも、京都、大阪の人たちの生活をずっと支えてきたのが琵琶湖です。あらためてその存在に感謝する展示でした。

 
 
 
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