TPPが奪う少女の一生。なぜ「子宮頸がんワクチン」は禁止されないのか?

 

塩崎は2010年2月に発足した「自民党ワクチン政策に関する議員連盟の幹事長だった。当時のブログに塩崎はこう書いている。

原因が解明されている数少ないがんである子宮頸がん。日本では毎年約1万5,000人の女性が発症、約3,500人が亡くなられている。しかし、接種すれば発症数を6~7割削減可能な予防ワクチンが開発されており、英国、豪州、米国などではすでに2006年ころから10代前半の女子を中心に、公費負担で接種を進めているのだ。(中略)必要予算は約200億円程度で済む。5兆円をこえる子ども手当てに比べれば微々たるもの。

子宮頸がんの原因が究明されているというのがそもそも間違っている。ヒトパピローマウイルスを発見したドイツの科学者ハラルド・ツア・ハウゼン自身が自著の中で「ワクチンの効果はガンに対してではなく、前がん状態、つまり異形成に対してだ」と述べている。

異形成を子宮がんの発症のごとく誤解すればHPV感染が原因であることになり、その感染予防ワクチンに効果があると言える。しかし、そうではないのだ。

それは、その後の国会の質疑の中でとっくに明らかになっている

2013年3月に子宮頸がん予防ワクチンの定期接種の法律が国会で成立したさい、衆参722人の国会議員のうち、法案に反対したのははたともこ参院議員ただ1人だった。

同年7月の参院選で落選した、はたともこは今、山本太郎の公設第一秘書をつとめている。山本の追及の中身から、彼女の思いも伝わってくる。

はたは、2013年3月28日の参院厚生労働委員会で質問に立った。答弁したのは厚生労働省健康局長矢島鉄也である。

はたともこ「HPVに感染しても、90%以上は自然排出されるということでよろしいですか」

矢島「米国における3年間にわたる調査で、90%が2年以内に検出されなくなったという報告がされております」

はた「HPVに感染しても90%以上が自然排出する。残りの10%のうち、持続感染し、前がん病変の初期段階である軽度異形成になったとしても、そのうちの90%は自然治癒するということでよろしいですか」

矢島「イギリスの医学雑誌ランセットによる2004年の11月のデータによりますと、若い女性の軽度異形成の90%が3年以内に消失するという報告がございます」

はた「軽度異形成の段階では経過観察を行い、中等度、高度への進展の段階で治療をすれば大部分は治癒するということでよろしいですか」

矢島「高度異形成とか上皮内がんの段階では子宮頸部円錐切除術で治癒率はおおむね100%と日本産婦人科腫瘍学会のガイドラインで示されています」

はた「HPVワクチンの副反応の頻度はインフルエンザワクチンに比べ、サーバリックスが38倍、ガーダシルが26倍、そのうち重篤な副反応は、サーバリックスが52倍、ガーダシルが24倍ということでよろしいですね」

矢島「子宮頸がん予防ワクチンの副反応は、100万回接種当たり約232例の報告率です。インフルエンザワクチンは、100万回接種当たり約6例の報告率で、御指摘の意味では約40倍です

この質疑から判明したのは、子宮頸がんの予防にとって、HPV感染への対策はさほどの意味がないということ。逆にHPVワクチン接種による副反応のリスクは、インフルエンザワクチンの40倍にも及ぶということである。

にもかかわらず、政府は法律を制定して義務的に接種させたのだ。

単なる感染、軽度の異形成はほとんど自然に治り、矢島が言うように「高度異形成や上皮内がんに相当する段階」ですら、適切な治療を受ければ100%治癒する。ならば、少なくとも、リスクを抱えた過剰な予防であることは明らかだ。

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