人情ふれあい日本征服の旅!悪魔も感涙した日南名物「カツオ炙り重」

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現在、九州の東岸を北上中の『ママチャリで日本一周中の悪魔』こと大魔王ポルポルさん。鹿児島で揚げピザを堪能し、宮崎入りした大魔王が、現地の方に誘われて訪れたのは、日南市にある2つの名店。南国・宮崎が誇る名物料理と人情厚き人々を前に、あの大魔王様も思わず……。

100点満点のお味!大魔王を魅了した「南国の恵み」

征服計画が順調に進行しつつある九州地方。

博多でバカ盛トルコライスを支配したのを皮切りに、つい先日は鹿児島で謎の揚げピザ屋を征服することに成功。九州が徐々に「闇」一色に染まっていくことに、我輩は大満足であった。

「ガッハッハッハッハ!! 次なる場所は宮崎県だ。あの地は優しいニンゲンが多いことで有名だが、我輩の手によって、非道なるニンゲンたちで溢れかえるように支配してやろう。」

鹿児島県から国道220号線を経て宮崎県へ行くには、延々と続くアップダウンの激しい山道を超えなければない。立ち漕ぎもできないほどの急な坂道を、我輩はママチャリを押しながら歩いていた。ギアの付いていないママチャリでは、後ろの荷物が重すぎるのだ。

しかし、我輩の頭の中では「宮崎県征服計画」が着々と進んでいた。

「まずは、宮崎のきれいな海を漆黒に染めるところから始めるぞ。ガッハッハッハッハッハ!!」

こうして山坂道を超え続けること3日3晩。我輩はついに宮崎県南部の都市・日南市に足を踏み入れた。

「ガッハッハッハッハ!! ココが宮崎県であるか。素晴らしい場所だ。時間の流れがゆったりしておるな!!」

我輩はさっそく宮崎県の名産であるマンゴーに見とれていた。黄色い光を放ちながら実る美しいマンゴーに、思わず見とれてしまった我輩。そのためか、うっかり日南市の街中で迷ってしまうことになる。

「くっ……。あのマンゴーめ!! 我輩をこんな目に合わせるとは、イイ度胸だ……!!」

悪魔をも惑わしてしまうマンゴー。そんな憎き果実をいつか“魔ンゴー”にしてやる……そう固く心に誓いつつキョロキョロしていると、突然ニンゲンが話しかけてきた。

「もしかして、日本一周をしているのですか?」

どうやら、この近所に住む地元民のようだった。

「あ……。そうなんです。はい……」

思わずニンゲンらしい返事をしてしまった我輩。話しかけてきた人は、改めて我輩の姿を見て驚いたようだ。

「え……そ、その顔でですか?」

若干引き気味になったが、このニンゲンはすごく優しいニンゲンでもあった。我輩が道に迷っている経緯を話すと、

「もし、お時間があるようなら、私がこの日南市を案内しましょうか?」

と我輩に優しくしてきやがった。

「このニンゲンに日南市を案内してもらえれば、土地柄も分って支配もしやすくなる。……これは征服する絶好のチャンスだ!! ガッハッハッハッハッハ!!」

我輩は心の中でそう思いながら、この人間の好意に甘えることにした。

 

我輩が最初に案内されたのは、しぼりたての柑橘系の良さを生かしたジュースやソフトクリームが売っている、「おれんじ亭」というお店だった。

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この辺りには果樹園が多くあり、その傍らに小さな喫茶店を経営している者が多いそうだ。そんな地方独特の雰囲気を見て、我輩は感動した。

「なんと、おしゃれなお店なのだ。気に入ったぞ。がッハッハッハ!!」

我輩はそのお店のイチオシである、ソフトクリームにオリーブオイルをかけたものを食べた。

一見驚く人も多いと思うが、ソフトクリームとオリーブオイルの相性は抜群である。濃厚なソフトクリームの甘さを、オリーブオイルが爽やかにさせてくれる。

宮崎の広大なる大地で食べるソフトクリームに、我輩は大いに魅了された。

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「ガッハッハッハッハッハ!! 素晴らしい。我輩が甘党だと知っての行為だな。このニンゲンには100点をやろう!!」

「だ……大魔王様! ご……ご満足されましたか!?」

「はい。ありがとうございます。これメチャクチャ濃厚ですね」

我輩は再びニンゲンらしい口調で丁寧にお礼を告げ、次なる場所へ連れていってもらった。

 

次に案内されたのは、「港の駅 めいつ」という店。獲れたて新鮮な魚介類が食べられるとのことだが、なかでもおすすめはカツオ。身が締まった新鮮なカツオ料理がまさに絶品らしいのだ。

「だ……大魔王様! 日南市は海の物を使った料理がおいしいんです。ど、どうか! お召し上がりください」

ニンゲンは恐る恐る我輩に言った。

「ガッハッハッハッハッハ!! カツオか。我輩の好みである。特別に食べてやろうではないか」

……という高笑いを心の中でしつつ、

「そうなんですか! 楽しみです」

と、これまたニンゲンらしく相槌を打ち、店へと入っていった。

「港の駅めいつ」は休日ともなると、長蛇の列ができるほど大人気のお店。店からは絶景の日向灘を臨むことができ、最近ではわざわざ遠くから食べに来る人もいるそうだ。

「ガッハッハッハッハ!! 素晴らしい場所ではないか。地元の隠れた人気スポット。ママチャリではなかなか見つけられぬからな!!」

我輩は海の見える窓辺の席で、こう小声でつぶやいた。

我輩が頼んだのは、この店のオススメらしい「日南一本釣りカツオ炙り重」というメニュー。こんなおいしいそうな料理が食べれて、我輩は満足である。しかも申し訳ないことに、案内してくれるニンゲンのおごりで、だ。

「九州のニンゲンは何と優しいのだ……。我輩にこんなに贅沢な料理を食べさせてくれるとは……」

少し涙が出そうになったが、こんな姿をニンゲンどもに見られてはいけない。グッとこらえて料理が来るのを待つ。

我輩は以前、高知県のひろめ市場という場所で「カツオの塩たたき定食」を食しており、カツオの支配はコレで2度目だ。今回はどんなカツオのタタキが出てくるのか……ワクワクした気持ちで10分ほど待っていると、我輩の前に料理が献上されてきた。

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お膳の真ん中に控えるのは、醤油ヅケ塩ダレで味付けされた2種類の生カツオ。これをそのまま刺身で食べたり、備え付けの七輪で軽く炙って食べることができるのだ。

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その周りには、カツオのアラ煮カツオのフライがガッチリ脇を固め、まさにカツオずくしといった趣。おまけにデザートには、先ほど我輩を惑わしてくれたマンゴーのプリンが付いてくる。

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「なんとウマそうなカツオなのだ。海の匂いがするぞ。それに、1度にこれほどの種類のカツオ料理が食べられるとは、なんとも贅沢だ。ガッハッハッハッハッハ!!」

さっそく我輩はヅケのカツオに箸を伸ばし、そのまま刺身でパクつく。

「絶景の海を見ながら喰らう新鮮なカツオ!! まさに魔族らしい食べ物で素晴らしい。ガッハッハッハッハッハ!!」

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骨まで柔らかく煮込まれたカツオのアラ煮。外側の衣と中のカツオとの食感のギャップが楽しいカツオのフライ。そしてマンゴープリンも驚くほど美味だ。

「こんな美味たる食べ物は、早く魔界に報告しなければ!!」

我輩は宮崎の地がますます闇に染まっていくのを感じつつ、カツオの新鮮さと美味しさに改めて感動した。

 

「港の駅めいつ」でカツオ料理を堪能し終わると、案内してくれたニンゲンとの別れの時がやってきた。

このまま、ずっとここにいたい。だがしかし! 我輩にはニンゲンどもを征服するという目的がある。

「ガッハッハッハッハッハ!! 貴様とはココでお別れだ。礼を言うぞ!!」

と言うのは恥ずかしい。なので、またまたニンゲンらしく

「すみません。ありがとうございます。お世話になりました」

と丁寧にお礼を言ってその場を辞した。

「しかし、九州っていいところだなぁ~」

我輩は改めて九州の人たちの人柄の良さを痛感した。熊本でメロンドームを支配した時も優しい人間に巡り合えた。そして、今日もまたイイ人に巡り合えた。

「ガッハッハッハッハッハ!! 宮崎とは何とお人よしのニンゲンばかりなのだ。これでは逆に、九州の支配は手こずってしまうではないか」

我輩はママチャリに跨り、宮崎の地を北へと走りだした。その目に映るのは綺麗な海と涙であったのだ。

 

DATA:
オレンジ亭
住所:宮崎県日南市下方122-1
営業時間:10:00~18:00
定休日:月曜日

 

港の駅 めいつ
住所:宮崎県日南市南郷町中村乙4862-9
電話:0987-64-1581
営業時間:10:30~14:30
定休日:月曜日、第3火曜日

 

『大魔王ポルポルの日本征服の旅』
著者/大魔王ポルポル
日本一周の旅をしている大魔王ポルポルである。旅の裏側、隠れた小話など話したいことは盛り沢山!! だがしかし! タダで公開はできない。メールマガジンで日本のいろいろなことを掲載するのだ。メルマガに記載のアドレスに悩みや質問を送ってくれればメルマガで公開回答するぞ! ガッハッハッハ!!
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