なぜ発売50年の「石けん」が、この10年で売上6倍にできたのか?

 

まとめ(戦略ショートストーリー)

ガンコな汚れに悩まされている方をターゲットに、石けんづくりへのこだわりに支えられた「ガンコな汚れが簡単&キレイに落ちる」という強みで差別化を実現しています。

使えば良さをわかってもらえるという想いのもと、ターゲットである主婦向けに試供品の配布やTVCMなどで試用を促すことで、口コミを拡げることに成功しています。

分析のポイント

「いいものを作っていれば売れるのか?」

「いいモノをつくれば売れる」という言葉を耳にすることは少なくありません。しかし、よく考えてみると、実際に試してみなければ良さを実感できないわけですし、その商品の存在を知ることがなければ試すこともないですよね。

ウタマロ石けんは商品に絶対の自信をもっていますが、近年は認知度を高めること試してもらうことを重視して取り組んでいるようです。その結果として、ウタマロ石けんは、なんと、この10年で出荷数が約6倍になっています。発売から50年以上たっている商品がこの10年で出荷数が約6倍とは驚きの数字です。

何が変わったのかというと、もちろん商品も改善されていますが、売り方が大きく変わっています。

まず、約3年前からTVCMを開始しており、認知度を高めるとともにCMでは「試してください」というメッセージを発信することで、試用を促しています。

そして、使ってもらえばリピートしてもらえるという自信の表れでもありますが、積極的に試供品を配布しているようです。幼稚園での試供品の配布はよい打ち手ですね。ターゲットであるガンコな汚れに悩まされているお母さんに届けることができるとともに、認知もしてもらえます。

さらに、試供品には幼稚園のお子さんがいるお母さんが、ウタマロ石けんを利用した感想が記載された紙も入っていまして、試してみようという気にさせます。

この試供品が届いたことで、お母さん同士の話題にも出ることも期待できそうですし、試したお母さんがママ友に、使った感想などを伝えてくれるかもしれません。そうなれば、口コミが拡がっていくことに繋がりますね。

このようにウタマロ石けんは、口コミを拡げるということを意図して実行して、成果を出しているわけです。「売り物」の魅力を「売り方」でしっかりと伝えることができている好事例といえるでしょう。

実は私も息子が最近、幼稚園で試供品を持って帰ってきて、初めてウタマロ石けんの存在を知りました。息子の上履きを洗うのに使ってみようと思います。まさに、ウタマロ石けんの戦術にはまってますね

image by: ウタマロ石けん公式サイト

 

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