子供への早期教育はムダなばかりか逆効果―ワシントン大学の研究結果

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子供のことを思うからこそ、早期教育に力を入れたい…そうお考えのご両親、ちょっと待って下さい。無料メルマガ『Dr.ハセのクスリとサプリメントのお役立ち最新情報』に、早期教育は効果がないどころか、逆に弊害が生じる可能性があるという研究結果が紹介されています。

しつけや早期教育は効果がないばかりか、逆に弊害!

北海道で、7歳の子供を「しつけ」のために山に置き去りにしたため、その子供が行方不明になっているというニュースが、大きく取り上げられています。確かに「しつけ」は重要だと思うのですが、なんとも複雑な思いです。

最近の少子化のためか、このような子供に対する「しつけ」に限らず、大切な子供に早期教育を行う例が増えています。私の家の近くの英会話教室があるのですが、日本語もままならない子供が母親に連れられて、英語の勉強をさせられているのを見かけます。

そこで今回は、子供に教育用のビデオを見せてもその効果があまりなく、逆に言語習得が遅れる可能性がある、というお話です。これは米国ワシントン大学のディミトリ・クリスタキス教授らが、小児科医学誌Journal of Pediatric 及びArchives of Pediatric and Adolescent Medicineに報告したものです。

Associations between Media Viewing and Language Development in Children Under Age 2 Years

研究では、1,000人以上の保護者から、乳幼児の早期教育の現状とその効果について、聞き取り方式で調査を行いました。それによりますと、全体の32%の人が、「英才教育」などと宣伝するビデオを、生後8カ月から1年4カ月の赤ちゃんに見せていたそうです。

ところが、そのようなビデオを1時間見せるごとに、見せない場合に比べて、赤ちゃんの習得言語数が6~8語少なくなっていることがわかりました。その結果から、この研究者らは、早期教育ビデオ番組は効果がなく、むしろ有害である可能性が強く、そのため逆に言語習得が遅れる恐れがあると、警告しています。

理由ははっきりしませんが、脳の発達が未熟な乳幼児に、無理やり学習させるのはよくないのかもしれません。子供の将来を考えた場合には、早期教育したくなる気持ちはよくわかるのですが、度を過ぎるのはいけません…。

image by: Shutterstock

 

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