顧客の奪い合いが激化している
オートバックスの競合は、イエローハットなどの同業者だけではありません。カーディーラーや家電量販店、ホームセンター、ネット事業者、ガソリンスタンドなど多岐に渡ります。業界を超えた競争を見据えていかなければならないのです。
若者の車離れは加速しています。一方で、女性やシニア層の免許の保有率は上昇傾向にあります。女性とシニア層の取り込みがカギとなるでしょう。今までのような若者向けの品揃えや店舗空間では女性やシニア層を取り込むことはできません。パラダイムの転換が必要です。
では、カー用品店が今後採るべき戦略には何があるのでしょうか。私は、同じくカー用品を扱うジェームス唐木田店が具体的なモデルになると考えています。ジェームス唐木田店は従来の「男性若者御用達のカー用品店」とは一線を画しています。女性や子供、シニア層でも気軽に利用出来るカー用品店です。
従来の店舗と違うのは、飲食ができる「カフェコーナー」や子供が遊べる「キッズコーナー」、シニア層や買い物をしない人でもくつろぐことができる「リラクゼーションコーナー」など、カー用品販売コーナー以外のスペースを充実させていることにあります。
店内には観葉植物が置かれていたり、ウッド仕様の棚にタイヤを陳列したり、通路スペースを大きく確保したりしています。女性の店員比率が高いのも特徴的です。私が訪れた時の店内の店員は女性3名、男性1名でした。店内は清潔感がありました。
ファミリーでの来店が多く、女性や子供、シニア層の来店が多かったのですが、かといって、男性の若者が少ないというわけではありません。男性の若者も取りこぼさずに、女性やシニア層を取り込んでいました。