ホビット族は実在した。今度は70万年前の「小さな人骨」が発見される

2016.06.20
 

かつて存在していたと言われている小人「ホビット」の骨が見つかったという報告が、先日科学ジャーナル「Nature」に掲載されました。なんと、それは約70万年前のものだったそうです……。ところでみなさん、「ホビット」って知っていますか?

謎に包まれたヒト族「ホビット」

ホビット」とはインドネシアのフローレンス島リヤン・ブアという場所で生息していたとされる、超小型のヒト族につけられたニックネーム

2004年に発見された1mほどの小人ホビットの化石の存在は世界中に衝撃を与えました。

人類(ヒト族)は猿から進化して、原人→旧人→新人と進化を続けてきたことはご存知のとおりです。

それまで見つかっていた原人はとても大きかったのに対して、フローレンス島で見つかったフローレンス原人は小さかったのです。

National Geographicによると、この子供のような人の化石は新種なのか、これまで見つかっている原人が進化したものなのか、はたまた「島嶼化(とうしょか)」の結果なのかという議論が白熱していますが、いまだ結論がでていないようです(※島嶼化とは進化生物学、生態学に関する学説のひとつ。孤立した小さな島で動物が矮小化したり、時には巨大化したりする現象のこと)。

ホビット発見以降、人々はもっとたくさんの化石が見つかるかどうか、ということに注目してきました。

最初に発見されてからの2年間、研究チームは発掘を続け、新種のヒト科生物のさらなる裏付けを探してその起源の謎を解決しようとしてきました。

最初に化石が見つかった地点に加え、インドネシアのスラウェシ付近も発掘を行いましたが、人骨の化石を見つけることはできませんでした。

そして先日、研究チームがこのフローレス島の”Mata Menge(マタ・メンゲ)”と呼ばれる場所から小さな人骨を発見したことを、Natureで発表しています。

今回見つかった人骨は、すでに見つかっているホビット(10万年〜6万年前)よりも古く、なんと70万年前のものであることがわかり、その時からすでに「小型化していた」というものです。

この発見により、ホビットの脳が小さいのは小頭症などの病理学的な理由ではないということが裏付けられたといえそうです。

ツイッターでもホビットに興味を持っている人は多いようです。

「ホビットってリアルだったんだね」

「70万年なんて気の遠くなる昔からホビットは存在したなんて!」

ヒト族は大陸の間をいつどうやって移動し、進化してきたのか。その謎を解くカギは、どうやら土の中にしかなさそうです。

さらなる発見が楽しみですね。

研究チームのリーダーVan den Bergh教授もチームを鼓舞しているそうです。

もっともっと、掘ろう!」と。

 

Source by: Science, The Verge, Nature, National Geographic, 国立科学博物館 

文/桜井彩香

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