【いじめ】1000人アンケートで判明、いじめっ子といじめられっ子の特徴

 

一方、後手となり被害が徐々に深刻になってしまった被害が起きた学校では、個別の面談が行われているのだが、この面談は、いわゆる尋問に近い性質があるが、面談を受けるいわゆる容疑者にされた児童は、行為を頑なに認めない。

「やっていません。」「知りません。」「覚えていません。」この3語で、詳細を語る必要がないのだ。

そして、この個別面談の後、ほぼ共通項と言えるほどあるのが、加害者側の保護者が、ここぞとばかりに学校に乗り込んできて、こういうのだ。

「まるで犯罪者のように、我が子が尋問された。」
「取り調べを学校がやっていいのか?」
「人権侵害だ。学ぶ権利を守れ!」

この保護者のクレームによって、途端に学校は萎えてしまう。

こうして学校はいじめ対策においての敗北を喫し、保護者の意向をかりた加害児童らは、図に乗って、被害を発展させたいじめを行うようになってしまうのだ。

現代教員は、十数年前の生活指導とは異なる価値観で動かなければならない立場にあるが、よく頭を使い、ある意味狡猾に動かなければならないこともあるということであろう。

物壊しや物汚しの実態は、ノートへの落書きや掲示物の破損、掲示された写真などに画鋲を刺す他、最も多いのが下駄箱にある上履きや外履きに対するいたずらや落書きである。

ひどいものになると、教科書を破り捨てたり、体操服をハサミで切る、トイレに捨ててしまうというものもある。

被害相談が私にあって、すぐに解消へと向かった学校での対策は、いじめについての詳しい講話や授業があり、いじめについて考える時間を少し与えた後、アンケートと保護者会、個別の聞き取りが対策チームによって、実施されているというケースが多いこともわかってきている。

対策チームは、公立校ではどの学校にも常設されているはずの、いじめ防止対策協議会などの校長を筆頭にしたいじめを予防解消するための組織が中心となるが、稼働するチームは、学年主任や生活指導担当、副校長などそれぞれが時間を作り、情報を共有しながら、対策に当たっている。

一方、後手となり深刻な被害への発展や、結果的に不登校(いじめからの回避)となるケースでは、前述の通り、適切な調査が行われず、チームではない、個人プレイが目立ち、解消しようと積極的に動いていた教員がクレーマー保護者から名指しで非難されるという事態が発生している。

こうしたことで、本来、アンケートに回答してくれる可能性があった児童が、いじめを解消するために、その報告をすることで大きなリスクを背負うことが示唆されてしまい、結果的に回答をしない、知らないと回答するという事態が起きてしまっている。

つまり、深刻になっているケースにおいては、調査における不備やいじめ対策法に有る原則的な取り決めが機能不全を起こしており、また事務処理を含め、全ての業務のレスポンスが遅いという共通的特徴が、はっきりと見えてきた。

また、直接的な介入をする中で、学校や被害者など、いわゆる当事者に当たるものと利害関係を有しない第三者が関わることで、有益な効果があることも僅かながらに感じている。

print
いま読まれてます

  • 【いじめ】1000人アンケートで判明、いじめっ子といじめられっ子の特徴
    この記事が気に入ったら
    いいね!しよう
    MAG2 NEWSの最新情報をお届け